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切れ切れ
「切れ切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切れ切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、わたしは――わたしは、仲間に――太郎さんに殺されてしまうじゃないの。」
その
切れ切れなことばと共に、次郎の心には、おのずから絶望的な勇気が、わいてくる。血の....
「影」より 著者:芥川竜之介
思わず塀の常春藤《きづた》を掴《つか》んで、倒れかかる体を支えながら、苦しそうに
切れ切れな声を洩らした。
「あの手紙は、――まさか、――房子だけは――」
一瞬....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
た。が、二足三足《ふたあしみあし》踏み出したと思うと、「御主《おんあるじ》」と、
切れ切れに叫んだなり、茫然とそこへ立ちすくんでしまった。この薄暗い内陣《ないじん....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ップという学生です。ラップは僕の家へ転げこむと、床《ゆか》の上へ倒れたなり、息も
切れ切れにこう言うのです。
「大変《たいへん》だ! とうとう僕は抱きつかれてしま....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
。その代りおん教を捨てた上は、わたしも生きては居られません。………」
おぎんは
切れ切れにそう云ってから、後《あと》は啜《すす》り泣きに沈んでしまった。すると今....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
たある表情が閃《ひらめ》いていた。洋一は兄の表情に愉快な当惑を感じながら、口早に
切れ切れな言葉を続けた。
「今日は一番苦しそうだけれど、――でも兄さんが帰って来....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
山《しょうじゅざん》の山腹に倒れていた。そこへ白襷《しろだすき》の兵が一人、何か
切れ切れに叫びながら、鉄条網《てつじょうもう》の中を走って来た。彼は戦友の屍骸《....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
は、この島にいる琉球人《りゅうきゅうじん》じゃ。それが浜べから飛んで来ると、息も
切れ切れに船々と云う。船はまずわかったものの、何の船がはいって来たのか、そのほか....
「運」より 著者:芥川竜之介
、娘の足にかじりつきました。そうして、半分泣き声で、早口に何かしゃべり立てます。
切れ切れに、語《ことば》が耳へはいる所では、万一娘に逃げられたら、自分がどんなひ....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
ようとすると、女は突然わたしの腕へ、気違いのように縋《すが》りつきました。しかも
切れ切れに叫ぶのを聞けば、あなたが死ぬか夫が死ぬか、どちらか一人死んでくれ、二人....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ゃいけません。さもないと、あの方の御命にも関るような事が起りますから。」と、こう
切れ切れに云うのだそうです。泰さんは何が何やら、まるで煙に捲かれた体で、しばらく....
「百合」より 著者:芥川竜之介
いロシアを夢みている。百合《ゆり》の話もそう云う時にふと彼の心を掠《かす》めた、
切れ切れな思い出の一片《いっぺん》に過ぎない。
今年|七歳《しちさい》の良平....
「或る女」より 著者:有島武郎
て来る振り捨てた男の執着。あすをも頼み難い命の夕闇《ゆうやみ》にさまよいながら、
切れ切れな言葉で葉子と最後の妥協を結ぼうとする病床の母――その顔は葉子の幻想を断....
「或る女」より 著者:有島武郎
ながら、締め殺すほど引きしめてくれと念じていた。そして顔を伏せたまま涙のひまから
切れ切れに叫ぶように声を放った。
「捨てないでちょうだいとはいいません……捨てる....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
マルコは足のいたいことも忘れて歩きました。 その夜母親は大そう苦しんでもう息も
切れ切れに、「お医者さまを呼んで下さい。助けて下さい。わたしはもう死にます。」 ....