切れ込み[語句情報] » 切れ込み

「切れ込み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

切れ込みの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ある心の風景」より 著者:梶井基次郎
る。盛りあがった気味悪い肉が内部から覗《のぞ》いていた。またある痕は、細長く深く切れ込み、古い本が紙魚《しみ》に食い貫《ぬ》かれたあとのようになっている。 変....
槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
に踏み蹂った雪片は、山桜の葩弁のように、白く光ってあたりに飛び散る。 奥赤沢の切れ込みへ来ると、雪は庖刀を入れたように并行に断裂して、その切截面の高さは、およ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
日山から朝日が出かゝった。橋を渡ってまだ戸を開けたばかりの通円茶屋の横手から東へ切れ込み、興聖寺の方に歩む。美しい黄の色が眼を射ると思えば、小さな店に柚子が小山....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
してその大きく霑みを持った黒眼勝ちの眼と、鼻筋の間と、子供のように小さな紅い唇の切れ込みとのどこかに、大|奈翁の肖像画に見るような一種利かぬ気な、注意深い性質が....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
日通った槍ヶ岳の山稜から、穂高岳へとかけて大きく彎曲した、雁木のようなギザギザの切れ込みまでが、距離の加減で、悠ったりと落ちつきはらって、南の空を、のたくってい....
断層顔」より 著者:海野十三
全体が斜めに寝ている。ふしぎな顔だ。その上に、腫物のあととも何とも知れぬ黒ずんだ切れ込みのようなものが顔のあちこちにあって、それが彼の顔を非常に顔らしくなくして....