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切上げ
「切上げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切上げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「党生活者」より 著者:小林多喜二
、「さア帰った、帰った!」と、追い戻していた。 勘定口の側に、「二十九日仕事の
切上げの予定のところ、今日になりました。然し会社は決して皆さんに迷惑を掛けないよ....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
ただけで急いで帰宅の俥に乗り込んだだけを記して、早くこの苦渋で憂鬱な場面の記述を
切上げよう。 「奥さまのかの子さーん」 夏もさ中にかかりながらわたくしは何とな....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
たが、やがて気がつくと、あたりはもう暮れ切っている。まだ残り惜しいがもうこゝらで
切上げようかと、水に入れてあるびくを引きあげると、ずっしりと重い。 きょうは案....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
ではありません――鳥渡失礼します」 恰度他の弔問客が来たので、重武はそこで話を
切上げて、その方に行った。 野村は屍体の安置してある部屋に行って、線香を上げた....
「青服の男」より 著者:甲賀三郎
リと刑事の顔を見た。刑事は今後の捜査上、身分を知られない方がいゝので、いゝ加減に
切上げた。 「どうもお邪魔しました。なに、別に用はないんです。又来ます」 ....
「海底都市」より 著者:海野十三
は出来るだけ、君たちの希望がとげられるように努力するつもりだ」 僕は早く交渉を
切上げてしまいたいと思ったので、その話を始めた。 「よろしい。われわれの不満を君....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
御主人はいつも夜食をとるのかね」 「はい。ちょうどその頃までに旦那様はお仕事をお
切上げになります。そして一日の疲れを、洋酒と夜食とでお直しになるのでございます。....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
えうち隅々まで隈なく見尽される訳のものではない。人足の通った、ありそうな処だけで
切上げたが可いでしょう―― それもそうか、いよいよ魔隠しに隠したものなら、山だ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いて、何やら相図をして向うの方に飛んで行かれます……。』 『それは、そろそろ雨を
切上げる相図をしているのじゃ。もう間もなく雨も雷も止むであろう……。』 果して....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
こに一泊する気にはなれなかった。今夜は金沢で泊ることにして、見物はまずいい加減に
切上げて、鎌倉のお名残りに由比ヶ浜へ出て、貝をあさる女子供の群れをながめながら、....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
その後に残った却って興味索然とした空白が四ツの顔をただまじまじさせた。 景子は
切上げ時だと思って催促の眼ざしを宮坂の横顔に向けた。宮坂は度の強い近視眼鏡の奥で....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ッと上りまさね。 兜町の、ぱりぱりしたのが三四人、今も見物で一所ですがね。すぐ
切上げてもいいんですの。ちょっと一座敷、抜け荷を売りゃ……すぐに三十と五十さ、あ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
天橋のたもとで、馬肉をさかなにしょうちゅうをひっかけてからいくのだが、帰りを早く
切上げるのでだれも気がつかない。近所では『井上ほど商売熱心なカタブツはない』との....
「三の酉」より 著者:久保田万太郎
よくなった。 それを、また、とき/″\はたしなめつゝ、しかも、決して、無理から
切上げさせようとはしない年ちゃんの顔のあかるさ…… ――これだ、これなんだ、こ....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
」 たゞもうかれは悔まれた。思案すればするだけ自分のだらしなさがはッきりした。
切上げかけてはもう少し。……器用に、じゃァ、もう一杯飲んで。……いま帰ったって明....