切子[語句情報] » 切子

「切子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

切子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
檸檬」より 著者:梶井基次郎
所は、たとえば丸善であった。赤や黄のオードコロンやオードキニン。洒落《しゃれ》た切子細工や典雅なロココ趣味の浮模様を持った琥珀色や翡翠色《ひすいいろ》の香水壜《....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
しい哀れな思いを誘い出されて、お時は暮れかかる軒の端《は》を仰いだ。軒には大きい切子燈籠《きりこどうろう》が長い尾を力なくなびかせて、ゆう闇の中にしょんぼりと白....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
若い美しい師匠は十八の初秋にこの世と別れを告げた。 その新盆のゆうべには、白い切子燈籠の長い尾が、吹くともない冷たい風にゆらゆらとなびいて、この薄暗い灯のかげ....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
た。其中には銀細工やニッケル細工の小かい精巧なものが倒れたり破れたりして狼籍し、切子の美しい香水瓶が憐れに破われて煙臭い塵臭い中に床しいホワイトローズの香気を漾....
」より 著者:池谷信三郎
シイカは想いだしたように、卓子の上の紙包みを解いた。その中から、美しい白耳義産の切子硝子の菓子鉢を取りだした。それを高く捧げてみた。電灯の光がその無数の断面に七....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
に赤毛の口髭を短く刈り込んで、RをUのように発音していた。彼はまたブラッセル産|切子細工の硝子の指輪を三鞭グラスのなかへ落してそれが表面に浮いてるように見せる不....
雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
も来ていたが、みんなつつましい、静かな人達のようであった。 食卓には、いつも、切子ガラスの花瓶に、時節の花が挿してあった。それがどんな花であっても純白の卓布と....
歯車」より 著者:芥川竜之介
だん急にまわりはじめた。同時に又右の松林はひっそりと枝をかわしたまま、丁度細かい切子硝子を透かして見るようになりはじめた。僕は動悸の高まるのを感じ、何度も道ばた....
離魂病」より 著者:岡本綺堂
を焚いてしまって、下女のお霜は近所へ買物に出た。日が暮れても蒸し暑いので、西岡は切子燈籠をかけた縁先に出て、しずかに団扇をつかっていると、やがてお霜が帰って来て....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
はいり、座敷の様子を眺めた時、お島は異人館へ来たのかと思った。 瓔珞を垂らした切子形の、ギヤマン細工の釣り灯籠が、一基天井から釣り下げられていたが、それの光に....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
キ壺が備えつけてある。朝日が射し込むとそのペン先が忽ち金色に輝き出す。インキ壺の切子の角が閃光を放つ。机上の左の方には二、三冊の洋書が無造作に置いてある。簡素で....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
た連中が、その部屋へ行って飲むのである。 これも充分支那風の、南京玉で鏤めた、切子型の燈籠が、天井から一基下っていて、菫色の光を落としているので、この部屋は朦....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
ふたりは足を早めてくると、三、四間さきに盆燈籠のかげを見た。それは普通の形の白い切子燈籠で、別に不思議もないのであるが、それが往来のほとんどまん中で、しかも土の....
接吻」より 著者:神西清
きまった顔なり物なりに定着させることが出来なかった。いろんな顔、とりどりの衣裳、切子になったコニャックの壜、コップからたち昇る湯気、漆喰仕上げの天井の蛇腹――と....
美味放談」より 著者:北大路魯山人
に話はなかったが、この豆腐を入れる容れ物が、当時ギヤマンと呼ばれていた紅|硝子の切子細工で実に見事なものなんだ。そのギヤマンの中へ真っ白な豆腐を盛って食うんだか....