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切岸
「切岸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切岸の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「永日小品」より 著者:夏目漱石
この都にいづらい感じがした。上を見ると、大きな空は、いつの世からか、仕切られて、
切岸《きりぎし》のごとく聳《そび》える左右の棟《むね》に余された細い帯だけが東か....
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
ある。兵士の住居《すまい》もある。乱を避くる領内の細民が隠るる場所もある。後ろは
切岸《きりぎし》に海の鳴る音を聞き、砕くる浪の花の上に舞い下りては舞い上る鴎《か....
「夢十夜」より 著者:夏目漱石
時女が庄太郎に、ここから飛び込んで御覧なさいと云った。底を覗《のぞ》いて見ると、
切岸《きりぎし》は見えるが底は見えない。庄太郎はまたパナマの帽子を脱いで再三辞退....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たところは、ちょうど千破剣《ちはや》の城をせめた北条勢が、楠《くすのき》のために
切岸《きりぎし》の上から追い落されるような有様ですから、目をすまして見物している....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
平城《ひらじろ》で、お濠というのは人夫の手で掘りあげたお濠なんだ。ここのは天然の
切岸と、川の流れそのままがお濠になっている――優れているのがそこで、また足りない....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
国の曠野は、あばれ川のあばれ放題な本性になる。 そんな日の激流に削られたような
切岸が、足利の町屋根から数町東の岩井村の辺で赤肌をむいていた。そして上には一叢の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ってしまったものだという。 岬、南へ突出すること 十町ばかり 海崖、およそ三十間
切岸の「石くえ」絶えず 峰の北は 霊山、長谷の山に連なる いまはどうか。古記に....