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切断面
「切断面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切断面の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大阪万華鏡」より 著者:吉行エイスケ
抬頭《たいとう》等の変化を見せたが、国内における購買力の減少は、街から街に黄濁の
切断面をつくった。 この界隈の連合委員会の事業振興の決議案にもかかわらず、閑散....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
て急いで行くのであった。 左側は、駅から迂回《うかい》して来た鉄路のある山腹の
切断面、それから高架線、それらが万寿のかかってる方へ並行していた。積まれた石炭の....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
ればならなかった)そういったことだけなのか。それともあれが、もっと大きな事件の一
切断面だとでも云うのかい」 「もちろん事件だ」帆村は言下に答えた。「わるくすると....
「絶対矛盾的自己同一」より 著者:西田幾多郎
ァーベルの世界はいつも現実に形を見る世界である。いわば過去から未来への間に意識的
切断面を有つ世界である。作られたものから作るものへの世界は意識面を有つ、そこに映....
「第四次元の男」より 著者:海野十三
いを持って(自分の姿が、今、相手に見えなかったのではないか、自分は四次元の生物の
切断面(?)ではないか)と、反省してみる要があろう。....
「科学論」より 著者:戸坂潤
まして上下の体統関係に這入っているものでもない。両者は社会に於けるイデオロギーの
切断面を異にしている。科学は研究。 * ジャーナリズムの意義に就いて今茲に述べる....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
――立体――に於てはもはや矛盾律は行なわれないわけである。Aという事物はその第一
切断面ではαであるが、もしAが具体的な多様性を有つなら、その第二
切断面では無論α....
「年賀状」より 著者:寺田寅彦
りのない眉をあげさげする。 「年賀はがきの一束は、自分というものの全生涯の一つの
切断面を示すものである。人間対人間の関係というものがいかに複雑多様なものであるか....
「街の底」より 著者:横光利一
々の体臭の中で、何ぜともなく不意に悲しさに圧倒されて立ち停った。それは鈍った鉛の
切断面のようにきらりと一瞬生活の悲しさが光るのだ。だが、忽ち彼はにやりと笑って歩....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
が閃めくと見る間に、脳は縦に二つに切られた。まるで豆腐を切るような楽さであった。
切断面を見ると、内部には白い髄体が見えた。そこには皺はなく、ギッシリと髄体がつま....
「芸術の人間学的考察」より 著者:中井正一
被投より投企への一瞬一瞬脱落する存在的時間が実存在と現存在の隙虚に挿入する極限的
切断面として考えられる。生ける空間 Raumlichkeit-In-Sein の....
「俳優への手紙」より 著者:三好十郎
ど運命的な径路と時日を要して君の裡に少しずつ少しずつ蓄積され形成されて来た思想の
切断面である。 僕は君のために、よろこんだ。君が、君としては珍らしくムキになっ....
「茶碗の曲線」より 著者:中谷宇吉郎
そうである。 弟はこういう見込みで、いろいろな土器についてその形を精密に測り、
切断面に相当する曲線をたくさん作っていた。土器の形はみなちがうのであるから、この....