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切物
「切物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切物の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
がしたのを覚えている。 その頃の上野には御承知の黒門があって、そこから内へは一
切物売を厳禁していたから、元の雁鍋の辺から、どんどんと称していた三枚橋まで、物売....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
菜ものの持寄り、一升徳利なんぞ提げて、お話|対手、夜伽はまだ穏な内、やがて、刃物
切物、鉄砲持参、手覚えのあるのは、係羂に鼠の天麩羅を仕掛けて、ぐびぐび飲みながら....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
て、親仁が大|目金を懸けて磨桶を控え、剃刀の刃を合せている図、目金と玉と桶の水、
切物の刃を真蒼に塗って、あとは薄墨でぼかした彩色、これならば高尾の二代目三代目時....
「露肆」より 著者:泉鏡花
がある。 時節もので、めりやすの襯衣、めちゃめちゃの大安売、ふらんねる切地の見
切物、浜から輸出品の羽二重の手巾、棄直段というのもあり、外套、まんと、古洋服、ど....
「妖怪学」より 著者:井上円了
することを知り、物心のほかに一種霊妙の神体ありて物心二者を支配するものと信じ、一
切物心の変化は、その体の媒介または感通より生ずるものと考うるなり。これを鬼神交感....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
ないか! ところが、幾度となく、その『外交綺談』を、神田辺の古本屋や、夜店の見
切物の古本屋で見かけるのであるが、買おうともせず、読返そうともしない。 何故だ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
生から承わりましたが、大宝令とか申しまして、文武天皇さま時分に法則も立ちまして、
切物は仮令鋏でも小刀でも刀でも、我銘を打つ事に致せという処の法令で、是だけは、只....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
元《つばもと》へ垂れる血《のり》を振《ふる》いながら下をこう見ると、腕が良いのに
切物《きれもの》が良いから、すぱり、きゃっと云うばかりで何《なん》の事か奥では酒....
「明暗」より 著者:夏目漱石
ら》めいていそうに思われた。けれども手術は彼の言葉通りそう早くは片づかなかった。
切物《きれもの》の皿に当って鳴る音が時々した。鋏《はさみ》で肉をじょきじょき切る....
「福沢諭吉」より 著者:服部之総
ある。教育によって日本人の頭を改造することから始めようというのが、幕末変革期の一
切物に絶望した彼の悲壮なる結論であった。 鳥羽伏見《とばふしみ》に敗走した将軍....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
場に何一つ刃物の落ちていないこととで、彦兵衛にも一眼でわかった。もし自刃ならば、
切物を外部《そと》へ向けて横差しに通しておいて前へ掻くのが普通だから、自然、痕が....
「螽蟖の記」より 著者:室生犀星
くなっていた。よく草むらで捕えるときに指さきに噛みつくが、轡形の大きな複雑そうな
切物で一ぱいになった口でパックリとやると、指さきに血がにじむくらいの傷をつけるの....