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切石
「切石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
あのラマルティーヌという小路へやって来た。そこには、重ねて目釘《めくぎ》を打った
切石が試験的に敷いてあるのだ。ここへ来ると君の顔は晴れやかになった。そして君の唇....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
へ甚い怪我をした事がある。其の頃は其の谷川の上手の山から石を切り出して居たので、
切石の屑片《かけら》が川の底に転って居てお浦は運悪く其の角を踏んで辷ったのだ、何....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
形に突出していて、左右に二条の張出間があり、その部分の外壁だけは、薔薇色の小さな
切石を膠泥で固め、九世紀風の粗朴な前羅馬様式をなしていた。勿論その部分は礼拝堂に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ただきとうございます。」 「そんなことを言うと天誅だぞ。」 別当の威し文句だ。
切石まで間道を通って、この浪士の諸隊は伊那の本道に出た。参州街道がそこに続いて来....
「家」より 著者:島崎藤村
た二月末の日が黒ずんだ水に映っていた。 船から河岸へ通う物揚場の石段の上には、
切石が袖垣のように積重ねてある。その端には鉄の鎖が繋いである。二人はこの石に倚凭....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
が、陰湿の土を包んで、その傾斜が森林の中まで落ちている、草ばかりではない、小さい
切石や、角石が隠れていて、踵でも足の指でも噛まれて、傷だらけになる、信濃金梅の花....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
や灰を放擲したようで、紛雑を極めている。その石も巨大なるブッ欠きや、角の取れない
切石や、石炭のかすのような「つぶて」で、一個一個としては、咸陽宮の瓦一枚にすら如....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
るうちに、どうしたはずみにか、つい御器を取り落とすような粗忽をしでかした。茶碗は
切石の上に落ちて、粉々に砕けてしまった。 主上はさっと顔色を変えられたらしかっ....
「ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
みは、あんまりしゃべりすぎるぞ。」と、ほくち箱が、くちをはさみました。そして、火
切石にかねをぶつけたので、ぱっと火花がちりました。 「どうだ、おたがいに、おもし....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
やおら身を起して腕に覚えの一礫、見事に中って白鳥一羽|撃留めました。やれ嬉しやと
切石を拾うて脇差の柄に打付け、袂にあり合う綿に火を移し、枯枝にその火を掛けて焚火....
「池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
いと、取あえず鉄砲を持ってその場へ引返して来る、この時早し彼時遅し、忽ちに一個の
切石が風を剪って飛んで来て、今や鉄砲を空に向けんとする井神の真向に礑と中ったから....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
。叔父は千駄ヶ谷につづいている草原のなかに倒れて死んでいたのでございます。大きい
切石で脳天をぶち割られて。……それを考えると今でもぞっとします。その知らせが来た....
「唇草」より 著者:岡本かの子
場で、西南の市外にあった。今は埋められて金蓮花の畑地にした平地の上に架かっている
切石の橋や、枝振りよく枯れて立っている亀島の松によって、庭園は相当凝った、小堀遠....
「江戸の化物」より 著者:岡本綺堂
しに空鉄砲を放してみよう」といって、井上某が鉄砲を取りに立とうとすると、ぽかりと
切石が眉間に当たって倒れました。 こんどは他の者が代わって立とうとすると、また....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
第一の穴は山の半腹のやや谷をなした所の石壁にある。石壁は十分に彫琢を加えざる
切石割石を煉瓦形に積み重ねて谷を横ぎり、その内部は全く土を以て谷を埋め平坦にして....