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切窓
「切窓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切窓の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「播州平野」より 著者:宮本百合子
あたりまえのものでないことがわかった。高塀には人の目の高さのところに、一つ小さな
切窓があけられていた。面会願の手続きがすんで、番が来るとその
切窓のわきのベルを押....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
た二人は黙り込んだ。 「それで」とレザールは重々しく、「ご依頼の件は怪物が今後一
切窓の側へ現われないように警戒する――ただそれだけでございましょうか?」 夫人....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
そういう一部屋が、崖に臨んだところに、奥座敷として、建てられてあった。その大きい
切窓から、向うの峰、下の谷が眺められて、いい景色であったが、仁十郎が、疲労によろ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の物音に、ひょいと後ろをふりかえると一軒の綱倉がある様子。 金網を張った白壁の
切窓に、かすかな灯影がゆらめいていたので、何心なく覗いてみると、さっきの二人が、....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
さすった。で、今もちょっとむッとしたが、 「お、呼んでやろう」 気軽にいって、
切窓から邸内を見廻した。 通用門から御用口までの広い間に、きょうは蜘蛛の巣取り....
「三国志」より 著者:吉川英治
の眸の前に一筋の縄が下がってきた。それは神の意志によって下がってくるように、高い
切窓の口から石の壁に伝わってスルスルと垂れてきたのである。 「……あ?」 人影....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
牢だぜ」 「だって、雀じゃないが、おらならここを出られないこともないよ。あの高い
切窓からね」 「それよりおまえはどうしてここへ入れられたのだ」 「河原の落首が悪....
「茶漬三略」より 著者:吉川英治
しかし、晴れた日には、太陽がこの牢獄の上を越える一刻か半刻ほどの間ちょうどその
切窓の桟から、幅一寸ぐらいな日光が、短い光線の棒をならべたように、牢の板の間に映....