切羽[語句情報] » 切羽

「切羽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

切羽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
が園がその言葉には無関心らしく見えるのですぐ追っかけて)ちょうどいないもんだから切羽《せっぱ》つまったのさ。本屋の払いが嵩《かさ》みすぎて……もう三月ほど支払を....
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
てもやはり夜中なにか起こったときには相手をはっと気づかせることの役には立つという切羽《せっぱ》つまった下心《したごころ》もは入っているにはちがいなく、そうするこ....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
権力者の前に引き据えられて是非もなく、できるだけその権力者の歓心を得ようという、切羽詰まった最後の逃げ道に過ぎないのだ。 が、この女が自分を愛していないばかり....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えて、しきりに堪忍してくれと頼んだが、長太郎はどうしても肯かなかった。お雪はもう切羽つまったところへ、小僧の勇吉があとから駈けて来て、これも出刃庖丁を振りかざし....
乱世」より 著者:菊池寛
長の大軍に、西と東とから取り囲まれるに違いない。本国へ退くにも退かれない。激しい切羽詰った戦が、しばしば繰り返されるのに違いない。そう考えると、彼はどうにも、味....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
大しくじりで……。はははは。なんでも焦っちゃいけませんね。そうすると、その武士も切羽詰まったとみえて、ようよう本音を吐いたんですが、やっぱりお吉の云った通り、そ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ンを噛んだ血でまっ赤に染っている。憤怒のために、ドドは野性に立ち帰ったのである。切羽つまったヤンが拳銃をだそうとすると、その手にまたパッと跳びついた。それなり二....
島原心中」より 著者:菊池寛
っておいた罠に陥って、法律上の罪人になるという筋だった。 自分は、その華族が、切羽詰って法律上の罪を犯すというところを、なるべく本当らしく、実際ありそうな場合....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
仲であった。決して両個は敵同士ではなかった。 そこでこういう奇蹟めいたことが、切羽詰まったこんな場合に、両個の間に行われたのであった。 足を嘗められた葉之助....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
っているので、相手の方ではいよいよ疑って、いよいよ厳しく責め立てる。結局、小鉄も切羽つまって、ダルトンと自分との関係を明かしたが、梁福はまだ素直に信用しない。そ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
「でも、玄関が開きやしなかったかって?」 「ええ、押し売か何かよ、断ったのよ。」切羽つまったウソをいった。 下からは、それぎり何の応えもなくなったので、圭子は....
火の扉」より 著者:岸田国士
て、たしかなあてがあるわけでもなかつた。もうこれ以上じつとしていられないという、切羽つまつた気持で、どこか遠い、それこそまるでちがつた世界へ飛びこんで行こうとい....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
顔をしていたのだ。 そんな風に扱われては、支店長たちも自然自滅のほかはないと、切羽つまった抗議の手紙を殆んど連日書き送ったが、さらに効目はない。やっと返事が来....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
連中からは敬遠されがちであった。が、しかし殺されるなぞと云うような変に個人的な、切羽詰った恨みを受けるような人では決してなかった。今度の坑夫塗込事件だけが、始め....
越年」より 著者:岡本かの子
下の緊縮した歳暮はそれだけに成るべく無駄を省いて、より効果的にしようとする人々の切羽詰まったような気分が街に籠って、銀ブラする人も、裏街を飲んで歩く青年たちにも....