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切通
「切通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切通の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
がお前さん」と、お力は顔をしかめながらささやいた。「千次さんのお友達が西の久保の
切通しで、金蔵に似た奴の姿をちらりと見たそうで……。あいつが近所をうろ付いている....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
主税はその言い種が憎いから、ますます買う気は出なくなる。 「でげすがな、これから
切通しの坂を一ツお下りになりゃ、五両と十両は飛ぶんでげしょう。そこでもって、へへ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
演舞場の方へかけて、白金台町附近、高樹町、霞町、浅草観音さま本堂、本郷三丁目より
切通坂へかけて、秋葉原界隈、田園調布界隈、司法省、茅場町、日本橋白木屋、高島屋の....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
助役の代りに配電室の技師が口を切った。 「此処から三|哩程東方の、発電所の近くに
切通がありますが、その山の切口から珍らしく粗面岩が出ていますので、その部分の線路....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
や自動車や自転車や、そうした騒雑な音響をたてて、ここの町の空気をかき乱すものは一
切通過しない。たまたま此処を過ぎる人力車があっても、それは徐かに無言で走ってゆく....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
し切れなくなって、私もしか倒れたら、駈けつけて下さいよ。 早瀬 (頷く。) お蔦
切通しを帰るんだわね、おもいを切って通すんでなく、身体を裂いて分れるような。 早....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
三崎|町の原を切って、水道橋から壱岐殿坂へ、ありゃありゃと、俥夫と矢声を合わせ、
切通あたりになると、社中随一のハイカラで、鼻めがねを掛けている、中山高、洋服の小....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
れてはいる事なり、蝙蝠傘を差したままで、湯島新花町の下宿へ帰ろうというので、あの
切通へ懸りました時分には、ぴったり人通りがございません。後から、 「姐さん、参り....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の川添の小橋の際のの、蘆の中へ立てさっしゃる事になって、今日はや奥さまがの、この
切通しの崖を越えて、二つ目の浜の石屋が方へ行かれたげじゃ。 のう、先生様は先生....
「兜」より 著者:岡本綺堂
う時節で、朝晩はめっきりと冷えて来た。その冷たい夜露を踏んで、ひとりの男が湯島の
切通しをぬけて、本郷の大通りへ出て、かの加州の屋敷の門前にさしかかった。 前に....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
もしろ半分が手伝って、四郎兵衛は母と入れかわって牛の背にまたがった。やがて朝夷の
切通しに近いという頃に、むこうから同じく牛を牽いた男が来るのに出逢った。 「おお....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
お送り下さらないではなりますまい。……勿論。 京では北野へ案内のゆかりがある。
切通しを通るまえに、湯島……その鳥居をと思ったが、縁日のほかの神詣、初夜すぎては....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
かいう虫の食った本を一冊。当日は本所の五百羅漢へゆくつもりで、本郷通りを真すぐに
切通し、寄席の求肥の、めがねへ出ました。すたすたもので、あれから、柳原を両国まで....
「島原の夢」より 著者:岡本綺堂
や自動車や自転車や、そうした騒雑な音響をたてて、ここの町の空気をかき乱すものは一
切通過しない。たまたまここを過ぎる人力車があっても、それは徐かに無言で走ってゆく....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
おいに芽を噴きたるなり。 ○五月、市川|女寅が本郷の春木座へ稽古に通う途中、湯島
切通しの坂へ差しかかりし時、俄かに眩暈を感じて人力車を降り、路ばたの西洋小間物屋....