切開[語句情報] »
切開
「切開〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切開の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
予はそのあまりの無邪気さに、覚えず森寒を禁じ得ざりき。おそらく今日《きょう》の
切開術は、眼を開きてこれを見るものあらじとぞ思えるをや。 看護婦はまた謂えり。....
「弓町より」より 著者:石川啄木
く気持は、時としてちょうど痒《かゆ》い腫物《はれもの》を自分でメスを執《と》って
切開するような快感を伴うこともあった。また時として登りかけた坂から、腰に縄《なわ....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
よりは、一方のかこみを打破った奮闘の勇気に快味を覚ゆる時期である。化膿せる腫物を
切開した後の痛快は、やや自分の今に近い。打撃はもとより深酷であるが、きびきびと問....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
かりにしていた。一人は白い手術着を着て、メスだの鋏だのを取りあげ、屍体の咽喉部を
切開していた。もう一人は白面の青年で、形のよい背広に身を包んでいた。この手術者は....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
形児のことである。つまり真一の場合は、もともと二人であったものが、瘢痕のところで
切開されて別々の二体となったものではあるまいか。そうすると別にあったもう一つの人....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
総選挙を前にして本令の施行は頗る効果的なり、政治及び政府要員は殆んど完全に旧態を
切開せらる。進歩党の如きは首脳部を根こそぎ持って行かれる。 幣原内閣も改造か総....
「大脳手術」より 著者:海野十三
おける断面積も算出されるわけだから、これらの数値によって不要なる贅肉は揉み出して
切開除去されるのだ。だから股と移植すべき脚との接合部はぴたりと合う。醜い段などは....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
んでいる重大なる問題であったから。だから検事が、 「瓦斯中毒説を、もうすこし深く
切開してみようじゃないか」 といったのは尤もだった。 「まず先に、私にいわせて....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
でいる。 隊の先頭には、嚮導艇ヨカゼ号が、只一つ勇敢にも、ぐんぐんと宇宙の道を
切開いていく。この嚮導艇の艇長は、松宮一平といって、予備ではあるが、海軍の飛行兵....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
たものでした。あの怪物が室内から飛び出すときに、鋭い硝子の刃状になったところで、
切開したものと思います。 兄は理学士ですから、スペクトル分析はお手のものです。....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
もできないし、自分でどうしても開かなければならないと信じてすべてのものに反抗して
切開いた道の先は、まっくらで何にもない。自分を自由に扱うことのできるよろこびの快....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
るにあらず、ただ何ものの考慮とも分らない手段である……すなわち小刀をもって革鞄を
切開く事なのです。……私は拒みません。刀ものは持合せました、と云って、鞘をパチン....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
りて、黒き板塀建て廻されぬ。 そのあたりの家はみな新木造となりたり。小路は家を
切開きて、山の手の通りに通ずるようなしたれば、人通いと繁く、車馬の往来|頻なり。....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
は、なんだか暗灰色に見えた。しかし中には何も入っていなかったようである。かくして
切開された胃袋は切り放たれて、また外に摘出された。そして腸の隣りに置かれた。 ....
「死体室」より 著者:岩村透
私は今度|躯に腫物が出来たので、これは是非共、入院して
切開をしなければ、いけないと云うから、致方なく、京都の某病院へ入りました。その時....