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切離し
「切離し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切離しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
で近代的な労働者の自覚が出て来て、使う方としては不便になって来る。農村の村々に、
切離して少しずつ女を働かして置けば、いつまで経っても、それらの勤労婦人達は、都会....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
は細かい用意があるのに驚かされることがよくある。 瓜のおもしろ味は、蔓や巻髪を
切離してはならない。最も力の籠っているのは、蔓と瓜の実とをつなぐ臍の柄で、生り物....
「浦和充子の事件に関して」より 著者:宮本百合子
やはりその人々は親子関係における基本的人権についての理解は古いままで、親の方だけ
切離して社会問題に取上げて判定されたような分裂が起ってきやしないか。つまりこうい....
「狼疾記」より 著者:中島敦
であった。自分の父について考えて見ても、あの眼とあの口と、(その眼や口や鼻を他と
切離して一つ一つ熟視する時、特に奇異の感に打たれるのだったが)その他、あの通りの....
「長篇小説私見」より 著者:豊島与志雄
即して云おう。短篇の批評に於ては、作者の態度とか心境とかいうことが、作品の内容と
切離して見らるることが多い。ところでこの作者の態度とか心境とかいうものは、云わば....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
しい学問的根拠によればそれが実現するであろうとは考えられない仮定を、この問題から
切離してしまうことを、前提しなければならない。ある論者は人は終《つい》には駝鳥に....
「生きている空間」より 著者:中井正一
的な自己省察よりも、より大いな不幸と苦痛はあるまい。人々はその際、自分を自分より
切離し、観客として自分を観察する。而して間もなく、獄裡の囚人が、扉に於ける覗穴か....
「日記」より 著者:宮本百合子
か? 交接して、女性が、強い快感を感じる場合は、或程度までそのものを、胸の愛から
切離して味う心持になった時のみらしい。らしいのだ、よくは分らない。が確かに何か違....
「肉腫」より 著者:小酒井不木
畜生に、何とかして復讐がしてやりたいのです。先生の手で、この畜生を、私の身体から
切離して頂くだけでも満足です。けれど、出来るなら、自分の手で、思う存分、切りさい....
「「冒した者」について」より 著者:三好十郎
追求するためには世界を除外することが出来ないし「世界」の問題を考えるのに「私」を
切離して答えを出してみても無意味である。個と全体、主と客体、自と他は既にそのよう....
「咸臨丸その他」より 著者:服部之総
のんき》とも好奇とも思われようが、いったい考証というようなものは、前後の問題から
切離してみたら、まったく気狂じみたはなしである。 ところが、おかしなもので、は....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
その首を切取ったとき、胴体も首も、何方も死んで了うからである。例え、胴体と首とを
切離してから、胴体も首も×時間だけは生きているものとして、そして又その×時間内に....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
駄が、もはや雪駄以上な別な値のあるもののように、べつな美しい彼女の肢体の一部分を
切離して、そこに据えつけてあるような、深い悩ましい魅力をもって私を釘づけにしたよ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
無茶なことを申すのではない。本に復れと言っても文化は複合している。或る部分だけを
切離して、木綿以前にもなれないことはよく判っている。ただ私の言うのは是からの社会....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
し方はないのであった。 もとは一続きの大きな祭であったものを、こまかく幾度にも
切離して、それぞれにちがった心持、または目的を以て節供をするという傾きは、田植の....