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切餅
「切餅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切餅の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
な」 と云いながら懐中より廿五両包を取出し、志丈の前に差置いて、 伴「少ねえが
切餅をたった一ツ取って置いてくんねえ」 志「これは云わない賃かえ薬礼ではないね、....
「父」より 著者:金子ふみ子
を背からおろして乳を呑ませている間に、叔母は買物の風呂敷包みを解いた。なんでも、
切餅が二、三十切れと、魚の切身が七、八つ、小さい紙袋が三つ四つ、それから、赤い紙....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
もし兼ねまじき勢いを見せ、箱を包み返しにかかりながら、呆れ返っている福松の前へ、
切餅一つをポンと投げ出し、 「三つあるうちの一つだけは、骨折り賃に天引としてこっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
着するということも成り立たない。 そういうようなことを考えているうちに福松は、
切餅のような三百両包を三つ、手に取りあげたり、取落してみたりしながら、 「わたし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しくもない鬱金木綿が吐き出して、畳の上へ、あたり一面に散らしたのは、封の切れない
切餅もあれば、霰《あられ》のような一朱二朱もあるし、小粒もあるし、全く、瓦っかけ....
「細木香以」より 著者:森鴎外
であった。 香以はこの屏風を横奪して、交山には竹川町点心堂の餡に、銀二十五両を
切餅として添えて遺った。当時二十五両包を
切餅と称したからである。交山は下戸であっ....
「新年雑俎」より 著者:寺田寅彦
である。尤も雑煮の競食などということが普通に行われていた頃であるから多くの人には
切餅の一片二片は問題にならなかったかもしれないが、四軒五軒と廻る先々での一片二片....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
さ、さ、これでも持って早よう行きゃれ」 白紙にのせて持って来たのは、五つほどの
切餅だった。武蔵は押しいただいて、 「ご機嫌よう……」 凍てついている氷の道を....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
かな騒音と、人浪に誘いこまれて、うかうかと室町の角までくると、屋根から飛んできた
切餅が一つ、雲霧の顔にぶつかった。 「あ痛……」 抑えた頬から、ふところへ、餅....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
ない。ただその小餅がいよいよ小さく、数でこなすという点が団子と近くなって、後には
切餅に作る風が一般化して来たのだが、今でも東北地方に行くと馬の餅・臼の餅・鉈の餅....