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列なる
「列なる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
列なるの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
意味においての調和であるか、中庸とは如何なる意味においての中庸であるか。意識は同
列なる活動の集合ではなくして統一せられたる一体系である。その調和または中庸という....
「鎖工場」より 著者:大杉栄
者を主人のところへ出して、俺達の生活の万事万端をきめている。今でこそ、あの会議に
列なる奴等はみんな主人側の代表者だが、これからは俺達の方の本当の代表者を出すこと....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
門は、わが子が得生のすくないくせに、口利口で、人に出過ぎ、ことに宿役人なぞの末に
列なるところから、自然と人の敬うにつけてもとかく人目にあまると言って、百姓時代の....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
った。
五月の四日、粕谷草堂の夫妻は鶴子を連れて、お馨さんの郷里に於ける葬式に
列なるべく出かけた。両国の停車場で、彼等は古びた中折帽を阿弥陀にかぶった、咽喉に....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
まり、折ふし晩秋の月|円かなるに誘はれて旅宿を出で、虹の松原に上る。銀波、銀砂に
列なる千古の名松は、清光の裡に風姿を悉くして、宛然、名工の墨技の天籟を帯びたるが....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
ように見えてくる。開場式のお歴々の群集も畢竟一種の囚徒で、工場主の晩餐会の卓上に
列なる紳士淑女も、刑務所の食卓に並ぶルンペンらも同じくギャングであり囚人の群れで....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
二六四を御覧、『方輿勝覧』を引いて、四川《しせん》の大輪山、〈群峰|環《めぐ》り
列なる、異人奇鬼のごとし、あるいは車に乗り蓋を張る、あるいは衣※峩冠《いべんがか....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
だった。 その晩、一同を犒うために簡単な酒食の用意が出来ていたが、当然その席に
列なる筈の波多野洋介は見えなかった。それから井野格三郎老人も見えなかった。ただ高....
「雪の宿り」より 著者:神西清
と立勝って見えたのでございます。されば他の諸山からも、心ある学僧の一慶様の講莚に
列なるものが多々ございました。その中には相国寺のあの桃源|瑞仙さまの、まだお若い....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
s on deck with lifebelts on!」 この叫び声が船室の
列なる廊下廊下を物ものしく走り廻る。大洋を航海した経験のある人は想像した許りで余....
「双面獣」より 著者:牧逸馬
母親は小さな娘の手を固く握って会堂へ急ぐのだ。父は、その心臓に恐怖を宿して聖餐に
列なる。そして、人類の間にこんな野獣が隠れ棲んでいたことを、何うして神は今まで許....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
居酒致し候」という店はきまっていて、そこへ立寄る者は、何年にも酒盛りの席などには
列なることのできぬ人たち、たとえば掛り人とか奉公人とかいう晴れては飲めない者が、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
っかりしていたが、ちょうど、この日の昼餐が済むと、直ぐから、二等船客発起の仮装行
列なるものが、それこそジャランジャラン騒ぎでケビンの甲板を一周し二周したものだ。....