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列伍
「列伍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
列伍の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
た。一部は福隆火柴公司へ向けられた。一部は正金銀行へ向けられた。 銃をかつぎ、
列伍を組んで、彼等はそれぞれ部隊長に指揮されながら、自分の部署へむかって行進した....
「風知草」より 著者:宮本百合子
ッと規則正しくふみしめる靴音は津波のように迫って、やがてその蜒々《えんえん》たる
列伍は、歴史的な時間の彼方に次第次第と遠のいて行った。幾千人もの鼓動とともにはき....
「生きつつある自意識」より 著者:宮本百合子
同時に描きつつ。 高等小学上級生、中学初級生が、予科練へ送りこまれて行ったあの
列伍の姿を忘れることが出来ず、彼等をむざむざ殺した者たちのきょうの安泰について許....
「河上氏に答える」より 著者:宮本百合子
どんなに見かけのいい形容詞に飾られようと、小市民作家として完成するために私は党の
列伍に加ったのではない。 投書に答えたことばじりをとらえて、私が文化反動との闘....
「肉親」より 著者:宮本百合子
人民としての権利を新しい思いでみたのであろう。やがては出迎の妻も子も夫と父や兄の
列伍に加って行動する日も来るのである。〔一九四九年七月〕....
「若き僚友に」より 著者:宮本百合子
すべて、良心と理性あるものの要求でないものはなかった。それだからこそ学生の運動の
列伍の周囲には、常に労働者階級をはじめ、あらゆる人々のもっている日本の善意が篝火....
「昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
臓に迫るような作風への進出か、あるいは安易な話術文学へかえって、一般の大衆作家の
列伍に復帰するか、さらにまた階級的意識を鮮明にして、プロレタリア大衆文学の先駆を....
「三国志」より 著者:吉川英治
行った敵は、財宝の車輛荷駄や婦女子の足手まといをつれ、昏迷狼狽の雪崩れを打って、
列伍もなさず、戦意を喪失しているにちがいない。 「追えや、追えや。敵はまだ遠くは....
「三国志」より 著者:吉川英治
里ほどくると、すでに蔡瑁以下、劉※義、王威などという荊州の諸大将まで、すべて旺な
列伍を敷いて、玄徳を出迎えるため立ち並んでいた。 この日、会するもの数万にのぼ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
入りのおしたくに忙しかった。 還幸の途々は、伯耆いらい、ここまでも、たいへんな
列伍だった。 頭ノ大夫行房と、勘解由ノ次官光守は、衣冠すがたで、馬上。ほかの公....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いたが、やがて五位ノ尉の衣冠をただし、供にも南江正忠、矢尾ノ常正など、いつにない
列伍をただして出て行った。定刻、花山院の仮皇居へつくようにである。――それを爺の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ち、苛烈な空間が父の背と子のあいだをみるまに遠ざけていた。――と思うと、この朝、
列伍に外された帰郷組の将士のうちから、とつぜん「おやかたさま! おやかたさまアっ....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
人垣ばかりでなく、屋根の上にまで、人間が見えた。 赤穂浪人の何十名かが、静かな
列伍をなして、いまそこの往来を芝口の方へ向って通行してゆくらしい。 静かである....