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「初子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

初子の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
「僕はピエルじゃない。と云って勿論アンドレエでもないが――」 「ないが、とにかく初子女史《はつこじょし》のナタシアたる事は認めるだろう。」 「そうさな、まあ御転....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
ことである。僕等三人の姉弟の中でも一番賢かったと云う姉のことである。 この姉を初子と云ったのは長女に生まれた為だったであろう。僕の家の仏壇には未だに「初ちゃん....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
、井戸端へ出てはならぬとか、食物《しょくもつ》を大事に為《し》なければならんと、初子《ういご》だから母も心配致しまする。と江戸から早飛脚《はやびきゃく》で、下谷....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
持っていない。仙台で出版された案内記や絵葉書によると、院本で名高い局政岡とは三沢初子のことだそうで、その墓は榴ヶ岡下の孝勝寺にある。墓は鉄柵をめぐらして頗る荘重....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
っと見つめながら、 「今日は五月の五日といって、男の子のお祝いの日なのよ、坊やも初子《ういご》だからお父さんに祝っておもらい、幟《のぼり》を立てておもらい。お母....
惜別」より 著者:太宰治
いたならば、と埒も無い空想にふけり、また、俗に先代萩の政岡の墓と言われている三沢初子の墓や、支倉六右衛門の墓、また、金も無けれど死にたくも無しの六無斎林子平の墓....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ば、歌柄の稍軽いのは時代と相関のものであろう。 ○ 初春の初子の今日の玉箒手に取るからにゆらぐ玉の緒 〔巻二十・四四九三〕 大伴家持 天....
六月」より 著者:相馬泰三
面倒くさくてしようがなかった。その時ふと目をあげると、自分の前に一人の雛妓が――初子とかいう名だった。――両手を膝の上へきちんと重ねて坐っていた。自分はふらふら....
「紋章」の「私」」より 著者:豊島与志雄
くる。彼は、主要な人物たる雁金八郎と山下久内とに、共に交誼があり、山下敦子や綾部初子や杉生善作とは顔見知りであり、雁金の発明実験所や山下家の茶会や其他いろいろの....
育児」より 著者:坂口安吾
育児 坂口安吾 五十ちかい年で初子が生れると、てれたり、とまどったりするばかりで育児については無能である。いま....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
がなさけなくてなりません。そして死ぬる時の肉体的苦痛が今から気にかかります。私の初子が十日以内に生まれるはずです。私はじっさい何と思ってこの子の誕生を迎えていい....
目黒の寺」より 著者:岡本綺堂
の注意を惹くようになった。いうまでもなく、政岡というのは芝居の仮名で、本人は三沢初子である。初子の墓は仙台にもあるが、ここが本当の墳墓であるという。いずれにして....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
江川初子がカフェー・ドラゴンからアパートへ帰ったのはかれこれ朝の五時頃であった。 ....
料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
だが、ものの妙を識り、ものを生かすことが肝要である。 ある日、山荘を訪れた黒田初子さん(料理研究家)が、土産に持って来たチーズを、私がよろこんだので、別れる時....