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初志
「初志〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
初志の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「花火」より 著者:太宰治
ットとやらの十万億土へ行ってしまいたい気持である。どのように言ってみても、勝治は
初志をひるがえさず、ひるがえすどころか、いよいよ自己の悲壮の決意を固めるばかりで....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
きつけた折柄だから、なおさらこの安さんに驚かされた。同時に安さんの訓戒が、自分の
初志を一度に翻《ひるが》えし得るほどの力をもって、自分の耳に応《こた》えた。 ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
、どんな場合にもすぐ諦めてよすような人ではない。いろいろ理屈をひねくって根気よく
初志を捨てないのがこの人の癖である、おとよはこれからつらくなる。 お千代はそれ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
、強力な流れはそれを馴致し、より強力で偉大な川には潔く没我合鞣して、南の海に入る
初志を遂げる。 この神田川の苦労の跡を調べることも哀れ深いが、もとこの神田川は....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
がに驚いて、 「じゃ君らは、あの大|陥没地へ身を投げるつもりか……」 「そうだ、
初志を貫く。だいたいこれが、僕の因循姑息からはじまったことだから、むろん、じぶん....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
怒って、昔のいわゆる勘当をすると言い出しましたけれど、なんと言われても保一くんは
初志を貫徹しようとしましたので、健吉くんが仲に入ってその遊女を身請けさせ、一方、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
る。義髄はそのために庄屋の職を辞し、京都寺社奉行所と飯田千村役所との間を往復し、
初志を貫徹するために前後四年を費やして、その資産を蕩尽してもなお屈しないほどの熱....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るのは、この船で太平洋を横ぎるだけの自信が持ち得られないためであって、決してその
初志を断念しているわけではないのです。船に自信が置けないのではない、経験に於て、....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
、ヤス子にコンコンと諭されて嬉し涙を流すという古いツキアイの由であった。あげくに
初志を貫徹して、目下大学英文科御在学であり、小娘の一念、あなどるべからずである。....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
で、難民たちの多くはその存在すらも知らないなア。 もっとも小林一三さんの秘密の
初志によると、半獣半神の神つどいに供するためではなくて、難民たちの風雅の会に供す....
「都会の中の孤島」より 著者:坂口安吾
行われることも珍しいことではなかったのである。 こういう女と知りながら、結婚の
初志をひるがえさぬ男がいるのは変った例ではない。恋愛とは、そういうものだ。むしろ....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
たりと大納言にぶつかったとしたって何等狼狽することはない。堂々と計画通りに我々の
初志を貫徹するまでの話だ。なあ。清原。そうだろう! 清原 (自信なさそうに)うむ....
「画道と女性」より 著者:上村松園
もないが、一般に言えば女性だと年頃になったりすると家庭の事情や何かで、どうしても
初志を立て通すことが難しくなり易いようです。 一芸を立て通すとなれば男性の方で....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
力であった。これは今でも村の話柄としておもしろく誇張されて遺っている。 翁は最
初志野陶土発見を某工人の口から知ったとき、矢も楯もたまらなくただ陶土さえ入手せば....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
る決心であった。しかし中耳炎病後の影響は相当にひどく、何をやっても疲れ勝ちで遂に
初志を貫きかねた。漢口駐屯時代に徐州で木炭中毒にかかり、それ以来、脈搏に結滞を見....