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「初耳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

初耳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ってそれを聞いた。倉地が外妾《がいしょう》を二人《ふたり》持ってるといううわさは初耳ではあるけれども、それは新聞の記事であってみればあてにはならない。その外妾二....
星座」より 著者:有島武郎
れると、園は静かな口調で、今まで読んだところを人見に話し始めたが、人見にとっては初耳で珍らしい事実が次から次へと語りだされるのだった。そして園は著者の提供した議....
深夜の市長」より 著者:海野十三
――この三つが記されています」 動坂三郎がDSマグネットの工場を持っているとは初耳だったが、高屋市長は昨夜深更、その熔鉱炉に飛びこんだというと、ハテナ、昨夜僕....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
に湧出した重油の量が、ちと少なすぎるという話ですな」 「ほほう、そうかの」将軍は初耳らしく、その参謀の方に顔を向けた。「だが重油が流れ出すようでは、所詮助かるま....
三人の双生児」より 著者:海野十三
ハッキリした証拠を探すより外はなかった。ただ静枝が真一に恋をしていたということは初耳だった。一方真一は静枝を愛していたのだろうか。そう思うと、妾の全身はカッと熱....
自叙伝」より 著者:大杉栄
に言った。 社会学というのは、またそれがどんなものかということは、これが僕には初耳だった。そして僕も、高橋大尉と一緒にこんな学問をしている小野寺をうらやましが....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
い上、そう応《こた》えなければならなかった。「赤見沢先生が失踪されたとは、これは初耳ですな。それは何時《いつ》のことですか」 「昨夜以来、お邸《やしき》へお帰り....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
る怪々賊であります」 「なるほど。これは奇々怪々だ」 伯爵は奇賊烏啼天駆の話が初耳だったので愕いた。然し袋探偵の言葉の中に、ちょいちょい耳ざわりなところがある....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
っているの」 トマト姫は、とつぜん、意外なることをいいだした。 「えっ、それは初耳です。そうでございましたか、あのうつくしい女大使ゴールド女史の左の眼が義眼と....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
すかな、お嬢さんたちはそれを御存知?」 話が妙な方向にそれた。私は音叉の話など初耳だ。白木先生の意図をはかりかねながら、私は黙ってこの対話に耳を傾けていた。 ....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
ぞんじのとおり、短い電磁波を使ったもの。もう一つは音響砲です」 「音響砲、それは初耳だなあ」 左倉少佐は、山岸中尉と顔を見あわせる。 「班長、その音響砲は、帆....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
く、世界最大の航空母艦なんです。どうです、これで驚きませんか」 「ほほう、それは初耳だ。――でもまさか超重爆がこの短い飛行島甲板から飛びだすとは、常識上考えられ....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
ず傷つけられたと申す事で」と明白には源八郎云わなかった。 「や、それは私として、初耳でございますが、私の聴きましたのは、ちっと違いますので」 「どんな話か、肴に....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
さい掛合われなされたけれど、一向取戻しは埒明かんと言うことじゃ』 信徒二『そりゃ初耳じゃ。どうして返さんのじゃろ。どだい、こっちゃのもんやないか。利息でも呉れと....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
るようで、何が何やらさっぱり解らなかった。辰馬久が××会の首領であるということも初耳だ。そう云われてみれば最近彼の思想は大分変ってきてはいる。ひと頃は軟派の不良....