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判任
「判任〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
判任の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「出世」より 著者:菊池寛
、下足をいじっていなければならないと思ったあの男が、立派に出世している。それは、
判任官が高等官になり勅任官になるよりも、もっと仕甲斐《しがい》のある出世かも知れ....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
お父《とう》様の処へ泊りに行って、日曜日の夕方に帰るのであった。お父様は或る省の
判任官になっておられた。僕はお父様に寄宿舎の事を話した。定めてお父様はびっくりな....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
僕は先生の家へ一、二度遊びに行った。先生は、そうした(七字削除)しさや、先生が
判任官なので軍曹とともに一緒に食事しなければならないことなどを、しきりにこぼして....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
、思い返してジット辛抱。そういうところゆえ、その後或人の周旋で某省の准《じゅん》
判任御用係となッた時は天へも昇る心地がされて、ホッと一息|吐《つ》きは吐いたが、....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
葛藤を経た後に離別せられていた。 優善は七月十七日に庶務局詰に転じ十月十七日に
判任史生にせられた。次で十一月十三日に浦和県が廃せられて、その事務は埼玉県に移管....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
伝えられる。警視庁の高等官も俸給の百分の三を、今後六カ月に亘って割くことになり、
判任官も之に呼応するらしいという状勢になって来た。――三菱は前に二百万円を寄付し....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ものの提案を聞いたことがある。提案だけではない。どこかの禅宗の寺で、大学出の少壮
判任官を集めて坐禅をくませたり精神修養の説法を聞かせたりしたものだ。云うまでもな....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
抱える事も出来ず、雇い車の車夫にやっと看板の仕着せ位をして済ませ、文部省の弁当も
判任官以来五銭弁当で甘んじていた。借家は最初の上六番町から下六番へ移り大分奮発し....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
わけがちがうんだ」 「頼む、今夜は洲蘆の出島に、ぜひにもの用があるんだ。ねえ君、
判任官閣下、頼むから君、かけ合ってくれ給えな」 が、間もなくその男の眼は、巡査....
「魔都」より 著者:久生十蘭
の冬からここに囲われる事になったが、玉の輿とは名ばかりで、一カ月の手当はちょうど
判任官級。時には味噌漉しを下げて露路を駆け出すこともある。さすがに妾《めかけ》と....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
ざわざそんな古い時代にまで遡るまでもなく、明治初年の職員録を見れば、月給十何円の
判任官までがことごとく由緒ある姓氏を名乗り、それが奏任官以上ともなれば、鹿爪らし....