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判者
「判者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
判者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
睨み合っていた。公式上の応答が済むと、ゼラール中尉は、 「どうです、時は正当な審
判者ですね」といいながら敵意のある微笑をもらした。見ると、ガスコアン大尉の顔は怒....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
と駈落をきめやあがった。」 近所ではその噂で持切っていました。なにしろ神明で評
判者の矢飛白が不意に消えてなくなったのですから、やれ駈落だの心中だのと、それから....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
を批判しうる人は存外少数である。残りの大多数の人たちは、そういう少数の信用ある批
判者の批判の結果だけをそのままに採用して、そうしてその論文のアブストラクトと帰結....
「丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
できる場合には用はないが、無言な正義が饒舌な機知に富んだ不正に愚弄される場合の審
判者としてこの二つの品が必要である。」これには自分はだいぶ異論があったように記憶....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
ラの頽勢は素人目にもはっきり見られるようになった。 第十一回目のラウンドで、審
判者はTKOの判定を下してベーアの勝利となったが、素人がこの映画を見ただけでは、....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
と中学とは犬とさるのごとく仲が悪い、だがこの応援は中止になった、いかんとなれば審
判者は師範の選手がたのまれたからである、で師範は中立隊として正面に陣取った。 「....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
は、理論のこのような一定の真偽形態として見出されるべき筈である。 尤も又、被批
判者の位置にあると考えられたもの、即ち被止揚者は、その被批判性を自覚しないのを寧....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
して、ドイツに於て形式社会学に対立するものは、従って又今日当然にも形式社会学の批
判者として現われるものは、一般に、文化社会学的から離れては、全く理解出来ない。 ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
相違もない。ただその神性が、一層よく発揮されて居る丈である。兎に角理性が最後の審
判者である。理性を排斥する者は、結局自己の暗愚を告白すると同一である。盲目的信仰....
「博物誌」より 著者:岸田国士
私の鉄砲の音を聞きつけて、頭を上げる。そして、私の方を見る。 つまり私たちの審
判者なのだ、この働いている男は……。彼は私に話をするつもりなのだ。そして、厳かな....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
持でふざけあったり、ペンナイフを握ったままぐずぐずしている、思いきりのわるい新血
判者たちを、はやし立てたりしたからであった。 そうした空気の中で、次郎も署名し....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
区別がはっきり分れるわけです。見物こそはあなたがたの全生命の支えであり、公平な審
判者であり、罪のない信者であります。 もう一つ批評家があります。俳優や作家、つ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
役者ならば菊之丞、茶屋女なら笠森おせん、飴屋は土平、絵師は春信と、当時切っての評
判者だった。 「わッ、土平だ土平だ」 「それ、みんな来い、みんな来いやァイ」 「....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
条兼実、その子の後京極良経を背景として、歌壇の元老となり、数々の歌合に殆ど一人で
判者となり、作者としても衰えを見せず、建仁三年九十歳に達し、和歌所において九十賀....
「波の如く去来す」より 著者:小川未明
うに、暗影と光明とを伴って一去一来しているのだ。この意味に於て、私は時が偉大な裁
判者だと信ずるのである。....