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「別々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

別々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
初雪」より 著者:秋田滋
夜になった。彼女は自分の寐間へあがって行った。彼女のたのみで、夫婦の寐間は別々になっていたのである。彼女は床に就いた。寐床のなかに這入っていても、やッぱり....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ん》へ年期切《ねんきぎ》りの草履取《ぞうりと》りにはいった。 求馬は甚太夫とは別々に、毎日府内をさまよって歩いた。物慣れた甚太夫は破れ扇に鳥目《ちょうもく》を....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
っている。」 「もう――いや、まだ立っているな。」 彼等はとうに手をつながず、別々に沖へ進んでいた。彼等の一人は、――真紅《しんく》の海水着を着た少女は特にず....
将軍」より 著者:芥川竜之介
は云い合せたように、じろりと彼を振り返った。しかし驚いたけはいも見せず、それぎり別々の方角へ、何度も叩頭《こうとう》を続け出した。「故郷へ別れを告げているのだ。....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
若い時には、いろいろ夢を見た事がありましたよ。」 二人はそれから久しい間、互に別々な事を考えながら、静に春の木々を映している、古沼の上を眺めていた。沼の上には....
路上」より 著者:芥川竜之介
、すぐにいつものはっきりした声で、 「行きましょう。何でもないわ。」 三人は皆別々の事を考えながら、前後してうす暗い廊下を歩き出した。 やがて廊下のつき当り....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
姿とがいつもぴったり一|致するのが、こちらの世界の掟で、人間界のように心と姿とを別々に使い分けることばかりはとてもできないのでございます。 兎も角も私は白衣姿....
或る女」より 著者:有島武郎
して十畳と茶の間との隔ての襖《ふすま》をそっと明けると、二人の姉妹は向かい合って別々の寝床にすやすやと眠っていた。緑色の笠《かさ》のかかった、電灯の光は海の底の....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
して痰《たん》を地べたにいやというほどはきつけた。 夫婦きりになると二人はまた別々になってせっせと働き出した。日が傾きはじめると寒さは一入《ひとしお》に募って....
火事とポチ」より 著者:有島武郎
ころには、夜がすっかり明けはなれて、ぼくの家の所からは黒いけむりと白いけむりとが別々になって、よじれ合いながらもくもくと立ち上っていた。 「安心なさい。母屋《お....
星座」より 著者:有島武郎
も寝ざめがようないのだ。俺は困っとるよ……」 と父は膝のまわりを尋ねまわして、別々になっている煙草入と煙管とを拾い上げると、慌《あわ》てるようにして煙草をつめ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
帰りなさい。本当にいろいろのことを話してくれた。話す人は話す人で聞く人は聞く人で別々だから何も差支えないようなものであった。お前はお前の国の風習に従って、それか....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
間の生活状態というものは、やはり主客転倒したものである。…… この二つのものは別々であってよいかと言うに、これは一つにならなければならないものである。インド人....
婦系図」より 著者:泉鏡花
酔っていた夫人が口を挟んで、顔を見て笑ったので、しばらくして、 (背中合わせで、別々に。) 翌日、平沼から急行列車に乗り込んで、そうして夫人に逢ったんだと。…....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
しかも、各々五色の輝を放ち、名詞、代名詞、動詞、助動詞、主客、句読、いずれも個々別々、七彩に照って、かく開きました真白な枚の上へ、自然と、染め出さるるのでありま....