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「別に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

別にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
それを通俗に砕いて話すのである。現今ではここで話すことを以て名誉として、講師には別に謝礼は出さないことにしてある。それでも、講師は半年も一年も前から実験の準備に....
寡婦」より 著者:秋田滋
えた小さな指環にふと目をとめた。その時までにも何遍となく見たことはあったのだが、別に気にとめて考えてみたこともなかったのである。 彼女はそこでその指環を静かに....
狂女」より 著者:秋田滋
の主婦が病気で隣室に寝ていることが耳に入れてあったので、彼のほうでも、そのことは別に気にもとめなかった。ところが、そうこうするうちに、彼はその女がただの一度も姿....
初雪」より 著者:秋田滋
ない気はしたが、それでも仕事に紛れて、日が一日一日とたって行った。彼女は生活上の別に取り立てて云うほどのこともないような細々としたことにもそれぞれその価値があっ....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
やりました。 「差当りこれだけ取って置くさ。もしお婆さんの占いが当れば、その時は別に御礼をするから、――」 婆さんは三百弗の小切手を見ると、急に愛想がよくなり....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
ざるを得ないじゃないか? 「若槻は僕にこういうんだ。何、あの女と別れるくらいは、別に何とも思ってはいません。が、わたしは出来る限り、あの女の教育に尽して来ました....
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
助け下さいまし。」と、がたがたふるえながら申し上げました。 それから先の事は、別に御話しするまでもありますまい。髪長彦は沢山御褒美を頂《いただ》いた上に、飛鳥....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
そう云う間でも、絶えず賑《にぎやか》な大通りへ眼をやる事を忘れなかった。 「用は別にないんだそうで、――」 「お前はそれを云いに来たの?」 「いいえ、私はこれか....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
いくらいだったのだ。だから軍医官でも何でも、妙にあいつが可愛いかったと見えて、特別によく療治をしてやったらしい。あいつはまた身の上話をしても、なかなか面白い事を....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
よりも効果の多い※らしかった。 「ではこうしましょう。一等はもう満員ですから、特別に一等の料金で特等で焼いて上げることにしましょう。」 重吉は幾分か間の悪さを....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
人のほうへ、驚いた眼を転じました。 「なぜまたそれがご不審なのです?」 「いや、別に不審という訳ではないのですが、実は、――」 主人はほとんど処子《しょし》の....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
者はその金色の瞑想《めいそう》の中にこう云う光景を夢みなかった。夢みなかったのは別に不思議ではない。こう云う光景は夢みるにさえ、余りに真実の幸福に溢《あふ》れす....
将軍」より 著者:芥川竜之介
く》を出発した。 路《みち》は山陰《やまかげ》に沿うていたから、隊形も今日は特別に、四列側面の行進だった。その草もない薄闇《うすやみ》の路に、銃身を並べた一隊....
青年と死」より 著者:芥川竜之介
、何とかこれから予防策を考えなければなりません。あなたはどう御思いです。 ――別にこれと云って名案もありませんがとにかくその男が来るのは事実なのでしょう。 ....
仙人」より 著者:芥川竜之介
を起したのだ?」と、不審《ふしん》そうに尋ねました。すると権助が答えるには、 「別にこれと云う訣《わけ》もございませんが、ただあの大阪の御城を見たら、太閤様《た....