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別世界
「別世界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別世界の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
を破ろうとはしなかった。が、そうしているうちに、この地峡の中も、しだいにいわゆる
別世界と化していって、いつとなく、奇怪な生活が営まれるようになった。ところが、そ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
養われ供給されるのである。 前に『宇宙の成立』九八頁にも暗示しておいたように、
別世界から折々おとずれてくる不思議な使者、いわゆる隕石なるものは、あるいはこのよ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
占めるのを好む場席であった。隅近くではあったが、それだけ中央の喧騒から遠去かり、
別世界の感があった。中央の喧騒を批評的に見渡して自分たちの場席を顧みると、頼母し....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
何年前には文人自身すら此の如き社会的軽侮を受くるを余り苦にしないで、文人の生活は
別世界なりとし、此の
別世界中の理想たる通とか粋とかを衒って社会と交渉しないのを恰....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
決して魚族の親戚でもなければ又人魚の叔母様でもない……。が、もともと竜宮は理想の
別世界なのであるから、造ろうと思えば海の底にでも、又その他の何処にでも造れる。そ....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
て、そこに得も言われぬ感覚が齎らされて来るのである。つまり、これなどは、廓と云う
別世界が持つ地獄味のうちで、最も味の熾烈な、そして華やかなものであろう。が、そう....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
天然色映画を一本思い出す。 深い深い海の底へ主人公が泳いで行つて、竜宮のような
別世界へ到達するのであるが、到達してからのちのできごとについては一つも覚えていな....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
て来てるなんて、実際、今まで僕は夢にも想像していなかった。全く、この丘から向うは
別世界だ! あの堕落した平安人の巷からものの半道も離れていないこの丘の上には、ま....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
中 滅亡時に処すべき覚悟 今や同盟会員は、祖先以来永住の地球を見捨てて、さらに
別世界に移住すべく余儀なくされたのである、しかもこの事たる、頗る難事業で、到底軽....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
であった。 鷲ヶ巣山、光鷺山、伊東岳、泥股山などの大山高岳に取囲まれて、全くの
別世界。家の建築も非常に変っていて、六月というに未だ雪避けの萱莚が、屋上から垂れ....
「一寸怪」より 著者:泉鏡花
、関東には少ない様に思われる。 私は思うに、これは多分、この現世以外に、一つの
別世界というような物があって、其処には例の魔だの天狗などという奴が居る、が偶々そ....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
ところから種々な土産物など提げては、泊りがけでG村を訪ねた。 「閑静でいいなあ、
別世界へでも来た気がする。終日他人の顔を見ないですむという生活だからなあ」 惣....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
が、けだし少からなんだに相違ない。しかるに彼此の人口漸く増加して、これまでまるで
別世界の変った人類であるかの如く考えられていたものも、だんだん境を接して住まねば....
「小生のあけくれ」より 著者:北大路魯山人
に頭を煩わすことが多過ぎる。美しずくめばかりを狙っている小生の生活とは、どうやら
別世界を歩んでいるようだ。 小生のように自由を好むものには、グループに加わるこ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
をも受けず、村民は兵役の義務にも服せず、もちろん一銭の租税をも納めないで、全くの
別世界であった。この類のことは実は太古からあったもので、古く既に素戔嗚尊は、出雲....