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別儀
「別儀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別儀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
の愛嬌《あいきょう》をたたえながら、蛇が物を狙うような眼で見つめたのである。
「
別儀でもございませんが、その御手許にございまする御煙管を、手前、拝領致しとうござ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
た。 「先生、そこですよ。」と灰吹に、ずいと突込む。 「成程、就きまして、何か、
別儀が。」 「大有り。(と調子が砕けて、)私どもは願う処の御縁であるし、妙にもか....
「白くれない」より 著者:夢野久作
合はせぬ。 其の黄駝といへる唐人、同じく三拝九拝して、われに頼み入る処を聞けば
別儀に非ず。六神丸の秘方たる人胆の採取なり。男女二十歳以上三十歳までの生胆金二枚....
「堺事件」より 著者:森鴎外
下すと云う沙汰があって、下横目が附いて帰国し、各親類預けになったが、間もなく以後
別儀なく申し付けると達せられた。 夜に入って上裁籤の組は、皆国元の父母兄弟その....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
笑うところであった。けれど細心の町野左近将監のような者は、殿、政宗が進じたる茶、
別儀もなく御味わいこれありしか、まった飲ませられずに御済ましありしか、飲ませられ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
も、かくまでの苦悩はございますまいぞ、お情じゃ、禁厭うて遣わされ。」で、禁厭とは
別儀でない。――その紫玉が手にした白金の釵を、歯のうろへ挿入て欲しいのだと言う。....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
重にも御遠慮は申しながら、辛抱に堪えかねて罷出ました。 次第と申すは、余の事、
別儀でもござりませぬ。 老人、あの当時、……されば後月、九月の上旬。上野辺のあ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人があるとは言わないが、心当りへ当ってみてから挨拶をする、と言って帰って来たのは
別儀ではない、私の姉さん、お前、一緒に京都へ行ってくれるかね、お前が行ってくれれ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
見受け申した処、悪いと言えば、それでもとはおっしゃりそうもない。その御心得なれば
別儀ござるまいで、必ず御無用とは申上げん。 峠でその婦人を見るものは……云々と....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
せ」 お人払いの上、喜代之助にお向いなされ、 右「喜代之助、そちを呼んだのは
別儀ではないが、今日予が下城の節、駕籠訴いたした者がある、それは本所業平橋の料理....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
え、半平たちから距てさせた。 「たとえ俗界にいかようなツナガリがあっても、霊界は
別儀であるぞ。不敬者め。静坐して、正宗の戻るまで、霊界に思いを致しておるがよい」....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
代の秘書にはござりまするが、多門兵衛様には忠誠丹心、まことの武夫と存じますれば、
別儀をもちまして、お眼にかけるでござりましょう」 と云い、一旦奥へはいったが、....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
でとは打って変って、低いけれども、然しながら力強い響を持っていた。 「お梶どの。
別儀ではござらぬが、この藤十郎は、そなたに二十年来隠していた事がある。それを今宵....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
あとが幽にある。 この婦人を、私は八さんに囁いて、密に「三傘夫人。」と称えた。
別儀ではない。――今朝、旅籠屋で、朝酒を一|銚子で、ちと勢のついた処へ、内儀が速....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
はもとより、国元の始末なども、いかに成り果てたやら知れませぬ」 「いやいや。何も
別儀なことをしたわけではない。礼などいわれては、かえって迷惑」 「はっ。……ふか....