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別口
「別口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別口の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
と上がったんですが、それ以上はあっしの力でどうにも見込みがたちませんからね、じゃ
別口でもっと当たってやろうと思いやして、子せがれの人相書きやかっさらわれた前後の....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
えは口軽男だ、うれしくなってぱんぱんまくしたてたらいけねえぜ。ちょっとそこまでと
別口のおせじでもいってな、のがさねえように、うまく引いてきな」 「心得たり! ち....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ぞごめんだといったじゃねえか」 「ありゃ江戸へ置いてきた伝六で、ここへ来た伝六は
別口ですよ。ね! 男でも尼になれるっていうんなら、あっしゃもう今からでもここへ二....
「世相」より 著者:織田作之助
ませて、 「――しかし行ってみるもんでがすな、つまりその、金巾は駄目でがしたが、
別口《べつくち》の耳寄りな話ががしてな、光が一箱十円であるちゅうんでがすよ。もっ....
「明暗」より 著者:夏目漱石
なかったら、やっぱり親類として是非出席しなければ悪い訳になるのね」
「それゃまた
別口だ。ほかに意味があるんだ」
叔父の目的中には、昨夕《ゆうべ》の機会を利用し....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
得のうえで質屋へ搬ばれてしまったこと、やっと一つ整理がついたと思うと、後からまた
別口の負債が出て来たりして、二日がかりで町を騒がせたその結婚が、初めから不幸だっ....
「杉子」より 著者:宮本百合子
となら、自分で知らず識らず話す。そういうひとなのに、伊田のことについてはいつも特
別口数少く、冷淡らしくした。 去年の秋、従姉の雪枝の新婚早々の誕生日の集りで杉....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
とえどんなに上玉でもものの千両とは売れもしめえ」 「何んだ金が欲しいのか。金なら
別口が控えていらあ……女の話はお預けか?」 「いやさ順序で聞きやしょう」権九郎は....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たから鼠害を受くるのだと。子の日の神将名は毘羯羅《びから》、これは毘沙門や大黒と
別口の神で、中央アジアで支那の十二支をインド出の十二神に配して拵えたものと見える....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
れより多く送っている由。この頃は、かためて送れず、毎月ですって。こちらの分は全然
別口にすれば送れます。あっちの送金にこめることはその点で不可能の由。複雑に社会が....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
八月一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
八月一日 第五十三信の
別口
この間しらべた記録の配分かたの表、やっと出来ましたから、左のとおり(森長....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
チで、ヘソの元祖でありながらアブハチとらずの因果な男だ。 お定はこれを断って、
別口のお定劇の主役の方をやった。これは大失敗が当然で、去年彼女に会ったとき、 「....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を用いているらしい。海舟はナイフと砥石をかたづけて、血をふきふき、 「色と見せて
別口のあるところが非凡なのさ。虎には、チヨット、わかるまいよ。その日になって、ア....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
ないことだが、実は千生さんと私とは前々から深く言いかわしている。中田屋の一件とは
別口で、千生さんは少し筋の悪いことがあって、当分は身を隠していなければならない。....