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「別宴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

別宴の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
れ、私には何にも用はない。男と私は精養軒の白い食卓につくと、日本料理でささやかな別宴を張った。 「私は当分あっちで遊ぶつもりよ。」 「僕はこうして別れたって、き....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
が漏れたのも尠くない。出発の前夜も道後の船屋別館で、五十二銀行の石原頭取其他が送別宴を開いて下さった。またこの以前に、城下の南外れの亀の井という割烹店で二回まで....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
てくれ、私に用はない。 男と私は精養軒の白い食卓につくと、日本料理でさゝやかな別宴を張った。 「私は当分あっちで遊ぶつもりよ。」 「僕はこうして別れたって、き....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
和堂の夫婦は、もはや今日はお立ちになるのであるというて、精進料理の御馳走を拵えて別宴を開きました。 可哀そうなのはその家の十一になる姉娘と五つになる男の子供で....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
さて、大きく、 「あらぬ疑惑をもって当家の内秘を覗かんとする天満の痩浪人、船出の別宴によい肴じゃ、重喜がみずから血祭りにしてくりょう! 女中ども、誰かある! 佩....
三国志」より 著者:吉川英治
。玄徳は名残りを惜しみ、十里亭まで、自身送ってきた。 ここに少憩してささやかな別宴をひらき、共に杯を挙げて、前途の無事を祈りながら、玄徳は眼に涙をふくんで、 ....
三国志」より 著者:吉川英治
と心を安んじた。そして近く魏へ帰国する日となると、呉王は江南の善を尽し美を尽した別宴をひらき、席上、おびただしい土産ものを山と積んで、 「どうかお持ち帰りくださ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
しらぬ顔して、こよいの態を眺めていよう」 その宵は、三明院のうちで、心ばかりな別宴があることになっていた。 一夜明ければ、帝の御船は島へ。――道誉以下は元の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
松一族をこの地にのこす以外、みな船へ移ってそれぞれの国へさして別れ去る――。その別宴でもあり、またこれは、筑紫びらきの門祝いであるぞ、とも誰かが言った。そして、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
どの顔も、逼迫した緊張と、敗戦をみずからみとめた、虚脱の色にまみれ、終日の会議、別宴もほどなく終って、どこかには、はや九日の宵月があった。 還幸の人数は、もう....
黒田如水」より 著者:吉川英治
快く会おうぞ」 そのあと、大振舞となって、一同へ杯が与えられた。 しかしこの別宴が終っても、誰ひとり身支度して、小寺へ帰るといい出す者もなかった。翌朝、一束....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
四 上総の「花見やれ海見やれ」は、いかにもなつかしい昔風であるが、相模川の辺の別宴の悲しみと共に、これもまた道饗祭の様式の一つであって、それと殺伐たる陣場弓箭....