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「別居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

別居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
の塔のようにもろくもくずれてしまった。親佐はことに冷静な底気味わるい態度で夫婦の別居を主張した。そして日ごろの柔和に似ず、傷ついた牡牛《おうし》のように元どおり....
或る女」より 著者:有島武郎
れない所で事務を取るのを便宜としたらしかった。そのためにも倉地がしばらくなりとも別居する必要があった。 葉子の立場はだんだんと固まって来た。十二月の末に試験が....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は、ちっと早過ぎる。店にいちゃあ何かの自由が利かねえので、隠居ということにして、別居したのだろう。そうして、勝手に出あるいている。いずれ何かの相手があるに相違ね....
自叙伝」より 著者:大杉栄
つつ、一緒に愚図愚図していた。が、いよいよこんどの僕の葉山行きを期として、二人の別居を実行することにきめたのだった。 神近は僕等のこの別居の計画を非常に喜んだ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
去年死んだ後、おふくろは親類と相談の上で、妹娘のお花に婿をとって、其蝶の長次郎は別居させることになった。其蝶も結局それを仕合わせにして、若隠居というほどの気楽な....
男女関係について」より 著者:大杉栄
と三人で会って、僕のいわゆる三条件たる「お互いに経済上独立すること、同棲しないで別居の生活を送ること、お互いの自由(性的のすらも)を尊重すること」の説明があって....
異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
要である。市場に売り出すものは子供でなくてはならないので、一年に一度子供を親から別居させなければならない。そして蝸牛の需要は秋から冬にかけてであるため、その頃に....
別居」について」より 著者:伊藤野枝
一 私と、辻との間に「別居」という話が持ち出されたのは、この頃の事ではないのです。ちょうど、一年あまり....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
の真身の父は、ファラデーがリボーの所に奉公している中に死んだが、母はファラデーと別居していて、息子の仕送りで暮し、時々協会にたずね来ては、息子の名声の昇り行くの....
決闘場」より 著者:岡本かの子
かった。それはジョーンを一寸淋しそうにも思わせたが、又何となく楽しいアイリスとの別居のようにも仮想させた。彼は下町に在る大学からの帰途、アイリスを訪ねた。その都....
」より 著者:犬田卯
こに立ちつくしていた。こんな状態とは少しも考えなかったのだ。 近所へ家を借りて別居している母のお常が、野良支度ではあったが、いつものように身綺麗な、五十を半ば....
電報」より 著者:織田作之助
喧嘩以外にすることはない。 こうして、鶴さんとオトラ婆さんの隣同士のややこしい別居生活が始まって間もなく、サイパン島の悲愴なニュースが伝えられた。 「やっぱし....
ある恋の話」より 著者:菊池寛
をせよと云う親の勧めや又外から降るように来る縁談を斥けて、娘を連れたまま、向島へ別居することになりました。そして、心置きのない夫婦者の召使いを相手にして、それ以....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
敗にかえって躍如しておる。 官報局に出仕する間もなく二葉亭は家庭を作って両親と別居した。初めは仲猿楽町に新居を構えたが、その後|真砂町、皆川町、飯田町、東片町....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
なって居る。良い僧侶は五人あるいは十人の弟子坊主を連れて居りますが、二室位借りて別居することが出来ますけれども、つまらない僧侶は二間四面の室に大抵二十人位住んで....