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別条
「別条〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別条の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
《すえまなこ》になりて、ただ一秒ののちを危ぶめり。 七、八町を競争して、幸いに
別条なく、馬車は辛くも人力車を追い抽きぬ。乗り合いは思わず手を拍《う》ちて、車も....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
《かえる》になろうとするような少年。私《わし》は驚いた、こっちの生命《いのち》に
別条はないが、先方様《さきさま》の形相《ぎょうそう》。いや、大
別条《おおべつじょ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
棟を飛んで、海へころげて落ちたろう。 馬鹿気ただけで、狂人ではないから、生命に
別条はなく鎮静した。――ところで、とぼけきった興は尽きず、神巫の鈴から思いついて....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
やあ、コン畜生、火の車め、まだ疾え、と鬼と組んだ横倒れ、転廻って揉消して、生命に
別条はなかった。が、その時の大火傷、享年六十有七歳にして、生まれもつかぬ不具もの....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。」と、これもおどつく。 「まず、」 と突張った手をぐたりと緩めて、 「生命に
別条は無さそうだ、しかし、しかし応える。」 とがっくり俯向いたのが、ふらふらし....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
……ご機嫌よくこうやってござらっしゃる処を見ると、間違えごともなかったの、何も、
別条はなかっただね。」 「ところが、おっさん、少々
別条があるんですよ。きみたちの....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
けなして何とかじゃないのかい。刺違えるならここで頼む。お互に怪我はしても、生命に
別条のない決闘なら、立処にしようと云うんだ。俺はもう目が据っている、真剣だよ。」....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
いであの通りだ。急所じゃがあせんッて、私もそう言ったんで、島野さんも、生命にゃあ
別条はないっていうけれどね、早く手当をしてくれ、破、破、破傷風になるって騒ぐんで....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
こ抜く勢で、※いて、掻巻をぱっと剥ぐ、と戸棚の蔽は、旧の処にぼうと下って、何事も
別条はない。が、風がまたどこからか吹いて来て、湿っぽい、蒼臭い、汗蒸れた匂が、薬....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
抱こう様子に見えた。 「怪我なんぞ。」 境は我ながら可笑くなって、 「生命にも
別条はありません。」 「重畳でござる。」 と云う、落着いて聞くと、声のやや掠れ....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
偉観である。 したがつて読物のほうは十や二十駄作の連発をやつてもたちまち生命に
別条をきたすようなおそれはないが、映画のほうは三本続いて不評をこうむつたら気の毒....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
申した、川裳明神縁起とあるのでしょう。可心の無事はもとよりですが、ここでこの船に
別条が起って、白芥子の花が散るのではないか。そのゆうなる姿を、明神に祭ったのでは....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
たあねえ、なぐり込に来たのなら、襷がけで顱巻よ、剃刀でも用意をしていらあ。生命に
別条はねえんだから騒ぐにゃあ当らねえ、おう、奥様ちょいと、おい、先刻のようにお暑....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、それという間もなし、それにお前さん、御新姐は煩っていらしったそうだし、お生命に
別条がなかっただけで、お嬢さんも身体ばかり、跣足でお遁げなすったそうなんだよ。」....
「活人形」より 著者:泉鏡花
荒々しく人形の被をめくり、とくと覗きて旧のように被を下ろし、「うむ、この方は何も
別条は無い。やれこれで少しは安堵た。それにしても下枝めはどうして失せた知らん。婆....