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別状
「別状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
見いだされた。 菊園の子息玉太郎は仔細あって拙者が当分預り置き候、本人身の上に
別状なきことは武士の誓言《せいごん》相違あるまじく候、菊園一家の者に心配無用と御....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の骨を痛めているらしいから、なかなか手軽には癒《なお》るまいと云った。しかし命に
別状のないことは医者も受け合ったので、半七はあとの始末を自身番にたのんで帰った。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んな紛失物はかぞえ切れなかった。 はまぐりや浅蜊の獲物も大抵捨てて帰った。命に
別状のなかったのをせめてもの仕合わせにして、きょうの潮干狩の群れはさんざんの体で....
「光の中に」より 著者:金史良
矢部君が出て来たので、私たちは彼の方へ駆け寄って経過をきいた。彼の話では生命には
別状もないだろうが、何しろひどい刺傷でどうしても一カ月の入院治療は要するから、今....
「ラプンツェル」より 著者:グリムヴィルヘルム・カール
悲しさに、逆上せて、前後の考えもなく、塔の上から飛びました。幸いにも、生命には、
別状もなかったが、落ちた拍子に、茨へ引掛かって、眼を潰してしまいました。それから....
「ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
ない様子である。 ハテナ、変ったことが起ったのかな、ふりむいても、客席の方には
別状がないから、ウッカリすると、こやつ、テンカンもちの発作を起しやがったんじゃな....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
だことでね。ご亭主はけがをしてね。だが気を落としなさんなよ。けがはけがだが命には
別状がない。だが、かたわぐらいにはなるかもしれない。いまのところ病院にはいってい....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ずれてしまった。 「兄上は死にました」 克子はむせびつつ叫んだ。 「おイノチに
別状はありませんが、兄上はもはやこの世のお方ではございません。人々が精神病院の一....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
から下の方だけにしか命中しないんですから心霊術の先生もたまらないわよ」 「生命に
別状はなかったわけですね」 「それはもう熟練してるから。宿屋の番頭は酔っ払いを適....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
す松火の光で、崎嶇たる山骨を僅に照らし、人馬物言わず真向きに走る。 「殿のお命に
別状無い中どうぞ福島へ行きつきたいものだ」 この事ばかり懸命に念じ主水は益々馬....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
り顔を出したが、 「これはご隣家の藪様で」 「昨夜盗難に遭われたとの事、ご家内に
別状はござらぬかな?」 「はい有難う存じます。怪我人とてはございませぬが……」 ....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
はお染へ噛みついた。幸い手当が速かったので、腕へ歯形が印いただけで、生命には何の
別状もなかった。ところが何と奇怪なことには、その翌晩にも口笛が聞こえ、同じ鼬が現....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
、三人張りで射出され、それで片目射潰されても、なお堂々と敵を斬り、生命には何んの
別状もなかった。剣豪塚原卜伝でさえ、一刀では相手を殺し兼ねたという。まして獲物が....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
すっかり痩せて細くなり、ノサレたようにクタクタにされて了うのだそうだ。だが命には
別状無く、こっそりと家へ送り返されるのだそうだ。 嘘のような話だが、支那の歴史....
「塵埃は語る」より 著者:小酒井不木
? 俊夫君と豊君とが猿轡をはめられて、松の木に縛られていたって? 二人とも生命に
別状はない? そりゃ結構だ。すぐ自動車に乗せて、一緒にこちらへ連れてきてくれたま....