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別箇
「別箇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
別箇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「フォスフォレッスセンス」より 著者:太宰治
ようにも私には思われる。そこには、つながりがありながら、また本質的な差異のある、
別箇の世界が展開せられている筈《はず》である。 私の夢は現実とつながり、現実は....
「幼年時代」より 著者:堀辰雄
の物語を味《あじわ》われなくなっていた。たとえば、はじめて物語の世界、いわば全然
別箇の世界を私に啓示するきっかけとなった、それらの雪の日の絵だけを例にとって云え....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
必ずしもその一つを異端視する訳には行かぬ。事によると両者とも正しく、ただそれぞれ
別箇の適用性を有するのかも知れぬ。すべてはただ純正推理の規準に拠りて、取捨選択を....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ことが、何だか遺憾です。だからこのことは、私たちのおくりものとは別にしましょう。
別箇の問題としましょう。ね。 隆治さんにきょう、これと同時に手紙を出します。そ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
に重点がある。志村がそう動いて来たのなら、筋がとおったようでもあるが、駿介という
別箇のものをつくって、それを動かすにしては志村と二重うつしです。猶々微妙ないくつ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
わけです。なかなかむずかしい。さりとて林町へだけいるならば、やはり私の生活は全く
別箇にやらねば、建ちゆきませんし。
この家、今この家賃で決してもうない。借すも....
「椿の花の赤」より 著者:豊島与志雄
ら、みんな唖然とし、別所君は顔を赤くし、ただ私には、「俺は別だ」との最初の言葉が
別箇の独語として心に残りました。 大体そんなところですが、別所君はつまり、人と....
「ドイルを宗とす」より 著者:甲賀三郎
僅少だと思う。それは、探偵小説はコンストラクションの文学であって、他の小説と全く
別箇の存在であるという私の持論の結果であるというよりも、反ってそういう事実が、私....
「科学時潮」より 著者:海野十三
分生物学研究にあるらしい。 最後に予は断言する。この怪人達は、地球人類とは全く
別箇の系統から発達進化した生物である。換言すれば彼の怪人は、植物の進化したもので....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
。私が「樹下の二人」という詩の中で、 ここがあなたの生れたふるさと この不思議な
別箇の肉身を生んだ天地。 と歌ったのも此の実感から来ているのであった。彼女が一歩....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
、作家生来の真面目であるかを作品によって見ればよいのである。作品の優劣はその上、
別箇の問題として心に映じて来なければならない。 この点から、僕は日本の作家があ....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
笑亭可楽君(八代目)は某々紙上において自らの落語速記を、他の誰のであったか、全く
別箇の落語と半分ずつ接ぎ合わせたまやかし物を自演として発表され、大腐りに腐ってい....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
唯物論と呼ぼう。 僕においては、精神はあくまで言語と区別される。それは表現とは
別箇に独立したものである。「精神」という単語の受けとり方の問題になるなら、僕は精....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
ない。ただしいて言えば、我国の鹿舞と支那から来た獅子舞とは、その目的において全然
別箇のものがあったと云う点が、相違しているのである。殊に小寺氏のトーテム説に至っ....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
運動であるとしましても、それは少くもいわゆる部落の人々の水平運動とは、おのずから
別箇の水平運動です。いわゆる「水平運動」は、あくまでも差別撤廃のみに向かって突進....