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利き
「利き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
見せてくれ。」
「うん、こっちにまだ半分ある。」
譚《たん》は殆《ほとん》ど左
利きのように残りの一片を投げてよこした。僕は小皿や箸《はし》の間からその一片を拾....
「竜」より 著者:芥川竜之介
をしますな。』と、例のげじげじ眉も動かさずに答えるのでございます。これはちと薬が
利きすぎた――と思うと、浮いた声も自然に出なくなってしまいましたから、恵印はまた....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
げているのは、石塊《いしころ》同様の玉ばかりだが。」
若者は毒口《どくぐち》を
利きながら、しばらくその勾玉を弄《もてあそ》んでいたが、自分もその楡の根がたへ楽....
「星座」より 著者:有島武郎
で思いだしてみた。何んの感じもない。白官舎のものたちの思わくを考えてみた。何んの
利き目もない。夜学校の教師たる自分の立場を省みてみた。ところが驚くべきことには、....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
草臥《くたびれ》もすっかり復《なお》りました。)
(あの流れはどんな病にでもよく
利きます、私《わたし》が苦労をいたしまして骨と皮ばかりに体が朽《か》れましても、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
う。結婚してからは、その利息が化粧料、小遣となろうというんだ。自然嫁入先でも幅が
利きます。もっともその金を、婿の名に書き替るわけじゃないが、河野家においてさ、一....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
、そういった様子でしてね。質の使、笊でお菜漬の買ものだの、……これは酒よりは香が
利きます。――はかり炭、粉米のばら銭買の使いに廻らせる。――わずかの縁に縋ってこ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
油を惜しむなよ、店が暗いじゃないか。今つける処なのよ、とお心易立てに、そんな口を
利きましてね、釣洋燈の傍に立っていますと、その時はお寄りなさらないで、さっさと水....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
くないのがない訳でもございません。『あんな神様は駄目だ……幾ら依んだって些つとも
利きはしない……。』そんな事を言って挨拶にも来ないのです。それが又よくこちらに通....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
いって。」 「そうでしょう。それから、」 「それから、(だって、犬や、猫が、口を
利きますか、ものをいいますか)ッて、そういうの。いいます。雀だってチッチッチッチ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ったと思うと、息もしないように坐っていた妙子は、やはり眼をつぶったまま、突然口を
利き始めました。しかもその声がどうしても、妙子のような少女とは思われない、荒々し....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
わされたのです。それでも杜子春は我慢強く、じっと歯を食いしばったまま、一言も口を
利きませんでした。 これにはさすがの鬼どもも、呆れ返ってしまったのでしょう。も....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の英雄で、腕ずくと図々しさとで名をとどろかしていた。肩幅がひろく、からだの自由が
利き、黒いかみの毛は短くちぢれていて、顔つきは武骨だが、嫌味はなく、道化たような....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
手な熱を吹いちゃあ、ちょいちょいお出入をするもんですから、こんな役雑ものと口をお
利きなさりますばッかりで、お嬢様、あなたに人が後指を指すんです。知らない内はから....
「活人形」より 著者:泉鏡花
やや人心地になりたれば、介抱せし人を見るに、別人ならぬ悪僕なり。はっと思うに毒や
利きけむ、心身たちまち悩乱して、腸絞る苦しさにさては毒をば飲まされたり。かの探偵....