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利器
「利器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
「それはとにかく、便利なものですね。」
「非常に便利です。所謂《いわゆる》文明の
利器ですな。」角顋は、ポケットから朝日を一本出して、口へくわえながら、「こう云う....
「或る女」より 著者:有島武郎
起こさせるのはもちろんだった。しかし道徳はいつでも田川夫人のような立場にある人の
利器で、夫人はまたそれを有利に使う事を忘れない種類の人であった。そして船客たちの....
「外科室」より 著者:泉鏡花
上 実は好奇心のゆえに、しかれども予は予が画師《えし》たるを
利器として、ともかくも口実を設けつつ、予と兄弟もただならざる医学士高峰をしいて、....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
を見て来て、負けず嫌いからの思い立ちに違いないが、設備して見て、彼女はこの文明の
利器が現す働きには、健康的で神秘なものを感ずるのだった。 水を口から注ぎ込むと....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
ら叫んだ。 「なに、今にメリケンヘ渡ってあの術を奪ってやるのだ。夷人《いじん》の
利器によって夷人を追い払うのだ」 寅二郎は、熱海の湯の宿で作ってくれた大きい握....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
針は二つに別れた。 記者たちは、経験と勘と、そして自動車と飛行機と電波と金とを
利器として、四方八方に活動を開始した。 こんなことがどの通信社にも新聞社にも起....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
かった。その後この障害が消失し、同時にまた科学のために尽くす研究者の数も、彼らの
利器の数も矢つぎ早に増加した。最近における大規模の進歩はかくして行われたのである....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
立った。しかしどうすることができようか。 相手は、自分たちが持っていない文明の
利器を使って、好きなことをやってのけるのだ。手だしができやしない。 ヘリコプタ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
なものではない、無数の鋭い金属性の棘で、鎧《よろ》われたところの環である。意外な
利器、素晴らしい手並み、しかも呼吸の辛辣さ、武道以外の神妙の武道! 「あっ」と叫....
「地球要塞」より 著者:海野十三
むのは、あぶない。この穴の開け方は尋常《じんじょう》でない。相手はたいへん強力な
利器《りき》をもっているぞ。とびこんではあぶない」 「だが、もう一息というところ....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
の顔もリーロフの顔も、すっかり分かってしまうのだ。 なんというすばらしい文明の
利器であろうか! 艇長はじめ通信係の一同は、ジイジイジイと廻るドラムの上を、ま....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
にねだって、二本を譲りうけたものであった。それは二人の勇士にとって、この上もなき
利器であった。 「はっ、では杉田は、ここで部署を守っております」 「よし、しっか....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
―ことに実生活を豊かにする事のためには、悪がしこい叔父の智慧と敏捷な挙動は最大の
利器であった。登志子は叔父のそれらの特点をよく知りそしてそれを厭いながら、知らぬ....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
壁の間に求めんとて、数日の糧を齎らし、ただ一枚の油紙を雨具とし、鉈の外には、何も
利器を持たずして、単身熊の巣窟に入り、険を踏み、危を冒して、偃松の中に眠り、大雪....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
を上手に活用して、立派な成績を挙げるものには、実に希望の「因縁果」であり、文明の
利器となります。「因縁果」の理法を明るく見るのも、暗く見るのも、これに関係する人....