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利方
「利方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
かっている尨犬《むくいぬ》のような髪毛《かみのけ》や赤い目、鈍《のろ》くさい口の
利方《ききかた》や、卑しげな奴隷根性などが、一緒に育って来た男であるだけに、一層....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
先《おいさき》長き両人の為にならん、手前一人を縊《くび》り殺して両人を助ける方が
利方《りかた》だからナ、此の文治郎が縊り殺すから左様心得ろ」 さ「あ痛《いた》....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ば、あの神霊矢口渡という芝居にあるようなことは勿論嘘でしょうが、矢口渡の船頭が足
利方にたのまれて、渡し舟の底をくり抜いて、新田《にった》義興《よしおき》の主従を....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
中思い切ったる元就の言分かな、所詮戦は毛利の勝なるべしと言って二百余艘の軍船が毛
利方へ漕ぎ寄せた。 陶の方からも勿論来援を希望してあったので、この二百艘の船が....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
》を解いて去らしめた。また応永二十二年、北畠満雅|阿射賀《あさか》城に拠りしを足
利方の大将土岐持益囲んで水の手を留めた節も、満雅計りて白米を馬に掛けて沢山な水で....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
安らしい顔をして旅の疲れを長椅子に横たえていた。この日、ルパンは果しない旅を伊太
利方面に向けて出発していた時である。翌朝、彼女は隣室へ忍び込んだ。云わずと知れた....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
西国の小弐、大友や中国の佐々木、塩冶の一族は、にわかに味方にうしろ矢を射かけて足
利方に裏返ってしまった。その以来塩冶は引きつづいて足利に付いて、いまも都に押しの....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
はならないのです。
役者にちゃんとした野郎が一匹いると云うのは、
兎に角|一廉の
利方だと、わたくしには思われます。
まあ、気持の好い調子に遣る男でさえあれば、
....
「不苦心談」より 著者:森鴎外
第一部の劇場にての前戯に、道化方がアイン・ブラアウェル・クナアベのいるのは劇場の
利方だと云っている。この確りした男は役者である。それを作者と誤って訳した。すぐそ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。 もうそこへ追跡して来た二、三十名の新田方の番士と、城戸守りに詰めていた足
利方の武士との間に、烈しい口争いが起っていた。 「いや、たしかに、曲者はこの城戸....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
子権之助が、敵将斎藤|玄基の首をひッさげて来て彼の見参に入れた。 もちろん、足
利方でも、このわずかなまに、数百の死傷は出していた。雲の低い夕方である。暗くなる....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
武士に捕まッたことがある。 使者が行き、良忠が行き、なんどとなくその釈放を、足
利方へかけあったが、足
利方では頑として解いて帰さず、しかも六条河原でみな首斬ッて....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
にはせ加わり、どうやら月の末、三河国の矢矧についた。 ここは郷党の地だ。即、足
利方の勢力範囲といっていい。直義は、みだい所の登子の身をひとまず一色村へあずけ、....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
藩だが、この播州|御着からはすぐ隣り国の浮田家にしてからが、いまのところでは、毛
利方と観られているが果たして不変なものかどうか、密偵の情報などに依ると、甚だ疑わ....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
ッぱかりもいやァがらない。」 「あたりまえさ、いわなくってすむならいわないほうが
利方だ。」 「慶ちゃんとこへも行ったろうか?」 「行ったろうさ。――が、三浦のと....