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利潤
「利潤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利潤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鰊漁場」より 著者:島木健作
だろう。他の場合にはもう有利とはいえない鰊場も、海産物商である大山にはなお充分な
利潤をもたらしてくれるのだ。彼奴はしかし決して自分で経営することはしないだろう。....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
代資本主義は、自由競争から独占への傾向をたどってきた。各産業部門に於ける独占は、
利潤を多くする。小資本は大資本に併合される。それから銀行と産業とが結びついて、金....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
どは、丸ビルにいる重役には、どうでもいい事だった。資本主義がきまりきった所だけの
利潤では行き詰まり、金利が下がって、金がダブついてくると、「文字通り」どんな事で....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
銀行」だった。 例えば銀行が沢山の鉄工業者に多大の貸出しをしている場合、自分の
利潤から云っても、それ等のもの相互間に競争のあることは望ましいことではない。だか....
「科学論」より 著者:戸坂潤
与件と要求とは、だからこの場合著しく制限されざるを得ない。 それだけではない。
利潤追求を終局の目的とする資本主義機構に於ては、技術の発達なるものは実は生産技術....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
本家でしかないが、それだけではなく、発明技術家の受け取る筈であった利得は資本家の
利潤に転化することによって、発明技術家自身に対して間接な損失となってさえ現われて....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
造――生産諸関係――は経済的搾取関係によって特色づけられる。要するに余剰価値乃至
利潤の追求がこの下部構造を規定する。だからこの経済的である。イデオロギー諸形態の....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
るだろう。と云うのは、新聞企業が依然として一つの企業として、即ちそれ自身で独立の
利潤をあげ得るものとして、財閥と共同の利害関係を結ぶ多くの場合と、もはやそうでは....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
反対するようでは東北振興電力株式会社の資本的営利事業は、余ほど不当で不正(?)な
利潤追及をやろうとしているに相違ない。新案電力会社の社長を政府が任命したり、一般....
「技術へ行く問題」より 著者:戸坂潤
のである。 人類のために解放した筈のラジウム製造のパテントが、アメリカの会社の
利潤の源となったことは可なり遺憾とすべきで、ここにも問題はあるのであるが、私がヒ....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
をとつて、値段は書きだしてないから高くとつても分らないので、それで宿六の知らない
利潤をあげて、今日は半分にまけてあげるわとか、今日はお金はいらないことよ、とか、....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ち、遊園を設備して、多大の資金と経費を投じているこのデパートの費用は、みな売上の
利潤から支払わなければならない。 我々小売商は、こうした資金経営を要さない。こ....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
に違いない」 監督が乗り出して云った。 会社直属の特務機関であり、最も忠実な
利潤の走狗である監督は、表面現場の親玉である係長の次について働いてはいるが、しか....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
も仕方あるまい。 (三) 素人が窯を造る場合、その目的が大量製産の
利潤にあるか、少量優品製作にあるかはあえてわざわざ問うまでもあるまい。しからば少....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
関する限りは、大体この店の品が求められるので、類の少ない独占事業でなにかにつけて
利潤は多かった。第一、荷嵩の割合に金目が揚がり、商品も小綺麗な代物なので、河岸の....