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利鎌
「利鎌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
利鎌の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
※《はさ》んで来た物に巻いて有る手拭をくる/\と取り、前へ突付けたのは百姓の持つ
利鎌《とがま》の錆《さび》の付いたのでございます。
三「是か、是か」
甚「へ....
「季節の植物帳」より 著者:佐左木俊郎
ても、やはりその樹形《じゅけい》の節くれだってひねくれているところだと思います。
利鎌《とがま》のような月の出ている葡萄色《ぶどういろ》の空に、一輪二輪と綻《ほこ....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
いう結論になった。ああ、その三つの名前! 海原真帆子 柳 ちどり 紅 黄世子
利鎌を振りまわしている死の神はわれ等の同志百七十一人の許を離れて、いまや刻々敵の....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
る煙はどこであろう? 19 ああ、空しくも齢をかさねたものよ、 いまに大空の
利鎌が首を掻くよ。 いたましや、助けてくれ、この命を、 のぞみ一つかなわずに消え....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
しは白|襟を召て錦の御帯金色赫奕たりしとかや。夫に引変え破褞袍着て藁草履はき腰に
利鎌さしたるを農夫は拝み、阿波縮の浴衣、綿八反の帯、洋銀の簪位の御姿を見しは小商....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
橋、鳴子の渡、畷の夕立、黒婆の生豆腐、白姥の焼茄子、牛車の天女、湯宿の月、山路の
利鎌、賊の住家、戸室口の別を繰返して語りつつ、やがて一巡した時、花籠は美しく満た....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
して、まあ、よく、まあ、早う帰って下さいました、ねえ。 晃 (百合を背後に庇い、
利鎌を逆手に、大勢を睨めつけながら、落着いたる声にて)ああ、夜叉ヶ池へ――山路、....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
、揉み上げにしみこんだ煙草の匂は羊肉の匂のようにぷんと来るであろう。 いざ子ども
利鎌とりもち宇野麻呂が揉み上げ草を刈りて馬飼へ....
「俊寛」より 著者:倉田百三
三場 舞台第一場に同じ。時。第二場の直後。烈風吹き、波の音高し。荒れ狂う海の上に
利鎌のごとき月かかる。雲足はやく月前をかすめ飛び舞台うす暗くなり、またほのあかる....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
者は手を緩めた。 「これもこちらへ隠しまして」と美少年は草籠を片寄せると見せて、
利鎌取るや武道者の頸に引掛け、力委せにグッと引いた。 「わッ」と声を立てたきり、....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
の二階でお銀栄太の二人が影法師三吉手下の取手に召捕られたのは、翌る四年も秋の末、
利鎌《とがま》のような月影が大川端の水面《みなも》に冴えて、河岸の柳も筑波颪に斜....
「琴」より 著者:マクラウドフィオナ
のは、これが始めてではないようだ」 少女は低い声で笑った。しろい腕は麦のなかの
利鎌《とがま》のように彼女のかがやく髪のなかに動いていた。彼女はコルマックを見た....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
かった。 梅軒は、徐々に、その鎖を手元に手繰り溜めた。――それは手元にある鋭い
利鎌を、次に抛ってくる用意であることはいうまでもない。 その鎌に対しては、武蔵....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の、それは鼻っぱしの恐ろしい番頭君が、蟷螂さながらの敷居際の構えで、ヤッと片手の
利鎌を振り立てた。宿帳をつけに来て、坐り込んでしまったのである。 のっけから、....