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制動機
「制動機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
制動機の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
は、鉄板で囲った小屋が載っていて、その中には、このクレーンを動かすモートルと其の
制動機とが据えてあった。
制動機を動かすと、この鉄橋は、あたかも川の中で箸を横に流....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
節を動かす細い真鍮棒が後光のような放射線を作っていて、その間に、弾条を巻く突起と
制動機とが見えた。続いて熊城は、人形の全身を嗅ぎ廻ったり、拡大鏡で指紋や指型を探....
「蓄音機」より 著者:寺田寅彦
って、文学士は吹き込みラッパをその美髯の間に見える紅いくちびるに押し当てて器械の
制動機をゆるめた。そうして驚くような大きな声で「ターカイヤーマーカーラアヽ」と歌....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
端に、擦違うように先方のが入った。 「危え、畜生!」 喚くと同時に、辰さんは、
制動機を掛けた。が、ぱらぱらと落ちかかる巌膚の清水より、私たちは冷汗になった。乗....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
――その条件は後を見よ――その本質に含まれていた可能性を通して、却ってこの運動の
制動機ともなることが出来る。でジャーナリズムの欠陥はアカデミズムの長所に、アカデ....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
――両者は、本源的な歴史的社会的存在の発展形式から来る必然的な二つの動力と二つの
制動機とを意味する。蓋し存在はその自己発展によってその発展の促進者と共に却ってそ....
「ばかな汽車」より 著者:豊島与志雄
。いくたりの人が死《し》ぬかわかりません。私はとっさに、汽笛《きてき》をならし、
制動機《せいどうき》に手をかけて、汽車を止《と》めようとしました。火夫《かふ》た....
「沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
うな具合に、ぶらぶらやって来ているのだろう。エンジンが参ったり、その為めに応急舵
制動機《ジュリイ・ラダア》でも掛けていたりすると、虫が這うように暇のかかるものだ....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
上から、トニィが呶鳴った。何事が起ったのか、と、運転手の Casey が狼狽てて
制動機《ブレイキ》を絞ると、トニィは突っ走るような声を弾ませて、 「手が見えたん....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
と申しますが、わたくしのこの恋心も、たとえばどのように上手《じょうず》な運転手が
制動機《フェレン》を掛けたとて、きっと停《と》めることはできないと思うのでござい....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
「菩提心」です。 自動車が走っているとき曲り道の急|角度に出会うと運転手は急に
制動機をかけます。あの強い反動と、歯止めの軋る音は、今まで快速力を楽しんでいた乗....