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刷毛先
「刷毛先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刷毛先の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三四郎」より 著者:夏目漱石
空にはもう日の光が乏しい。 青い空の静まり返った、上皮《うわかわ》に白い薄雲が
刷毛先《はけさき》でかき払ったあとのように、筋《すじ》かいに長く浮いている。 「....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
女の姿を認めた時は、一局の勝負がついた時であったから、こんな場合には髷《まげ》の
刷毛先《はけさき》の曲ったのまでが問題になる。 「噂《うわさ》には聞いたが、姿を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
下から、手古舞のところまで一足飛びにかけて来て、 「そこの芸者、いけねえよ、その
刷毛先《はけさき》をパラッと……こういう塩梅式《あんべいしき》に、鬼門をよけてパ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
うのが粋で渋く、次のようなものだったということである。 額は三分ほど抜き上げ、
刷毛先細い本多髷、羽織は長く、紐は黒竹打ち、小袖は無垢で袖口は細い、ゆきも長く紋....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
て軟らか味のある眼、少し間延びをしているほど、長くて細くて高い鼻、ただし鬘だけは
刷毛先を散らし、豪勢|侠に作ってはいるが、それがちっとも似合わない。着ている物も....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
いて内へ入って来た男は、胴金造りの長物をさし、菅の三度笠を手に下げ、月代を生し、
刷毛先を散ばし、素足に草鞋を穿いて、 男「はい、御免ねえ」 五八「ヒエー何所から....
「おせん」より 著者:邦枝完二
兵衛まで、やけ半分に呼びながら、中の口からあたふたと駆け込んで来た徳太郎は、髷の
刷毛先に届く、背中一|杯の汚泥も忘れたように、廊下の暖簾口で地駄ン駄踏んで、おの....