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刻み目
「刻み目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刻み目の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
に名を附けた樹の下に後産を埋める。さて父がその樹の根本から初めて胸の高さの処まで
刻み目を付ける、これと同時に賦魂の神カリ自身|倚《よ》りて坐せる木に
刻み目を付け....
「鈍・根・録」より 著者:宮本百合子
いう動作を意識せずには、書けない。今自分が生活の中から感じていることは、多様で、
刻み目も深い。だが、そのどれをも同じほどとことんまで書くことが、可能であるとは云....
「鏡の中の月」より 著者:宮本百合子
いる月や森を凝っと見ていると、日中のきまりきった暮しの表面からでは見えない人生の
刻み目があって、そのひとつが今夜珍しくも自分に呼びかけても来るように感じられて来....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
ューマニズムの声が起ったのである。この時期に、文化・文学の辿って来た歴史の伝統の
刻み目の内容を着実に含味しようとせず、空に飛行機を舞わせつつ、文学精神の面におい....
「マクシム・ゴーリキイの発展の特質」より 著者:宮本百合子
こき使われて来た小商人、下級勤人などのこせついた町人根性の日暮しとまるでちがった
刻み目の深さ、荒々しさの気分をもってゴーリキイを魅した。彼等が、極端な無一物であ....
「北へ行く」より 著者:宮本百合子
同じような謎に捕われたと見え、口を利くのをやめた。彼は窓の方へ再び向きなおった。
刻み目の粗い田舎の顔の上へ、車窓をとび過る若葉照りが初夏らしく映った。 〔一九二七年八月〕....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
家である先生・良人に従っているので、何だか生粋でもないし、その人は感覚もないし、
刻み目、つっこみが浅く、いい人であることと、いい芸術家であることとは必しも一致し....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かどうしてもそうは出来ないということを野暮に守ってそれに従って、いろいろな生活の
刻み目を越して来ています。どうしてもそういう気になれない。これには何か私の天然的....