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刻刻
「刻刻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刻刻の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
いくのを感じた。それは冷厳無比な智力に肌をひっ附けているような、抵抗し難い命数に
刻刻迫られる思いに似ていた。
「これはミッテンワルドより一層たまらないな。しかし....
「母性偏重を排す」より 著者:与謝野晶子
ると決定せられているのを見ない。同じ人でも賦性と、年齢と、境遇と、教育とに由って
刻刻に生活の状態が変化する。もっと厳正に言えば同じ人でも一日の中にさえ幾度となく....
「夜の靴」より 著者:横光利一
うだろう。 九月――日 雨だ。こんな日の雨天は、稲の花が結実しようとしている
刻刻のころだから、朝夕が涼しく、日中がかッと暑くなくてはならぬものだ、と久左衛門....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
いられている。妻もよほど気分が好いのであろう。 蜩が頻りに鳴いている。西の空は
刻刻その光彩を変じている。今は金色の光芒も消え、隣家の屋根の上に僅かに赤色を残し....
「澪標」より 著者:外村繁
まで思い知らされたのである。 毎朝、勤務に出る妻の乗った電車が、私の視野の中で
刻刻小さくなって行くのを見送っていると、妻はこのまま帰って来ないのではないかと、....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
の耳に返って来た。 時計の音というものは奇妙なものである。小忙しく、いかにも、
刻刻と、時の経って行くのを告げ知らせるかのようである。「そらそら」とね。しかも私....
「或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
いくらか私の方で承諾するらしい様子を素早く見て取って声を低く落して言った。私は
刻刻に募る不快さに耐えられない苛苛しい気で、外へ出た。玄関のところで、 「三日以....