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刻印
「刻印〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刻印の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
が訝しいから宵勘定に下げて貰え。と下《さが》った金を見ますると三星《みつぼし》の
刻印が打って有る、是は予《かね》て巡達《じゅんたつ》に成って居《お》る処の不正金....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
《しんがい》させた悪病の印というのも、判ってみればなんのことはなく、むしろ愛着の
刻印に等しかったではないか。しかし、そうしているうちに滝人の顔には、ちょうど子供....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
蓮華も、翅粉谷の水脈《みお》より長く曳く白蝶も、天馬空を行かず、止まって山の肌に
刻印する白馬も、悉《ことごと》く収めて、白峰の二字に在る、「北に遠ざかりて(何等....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ようになってしまって、冒頭の音節から詩特有の旋律を失ってしまった、「その|短剣の
刻印に吾が身は慄え戦きぬ――が、どうして。ああ、また何故に、貴方はそんなことをお....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
これまで見本を見たこともないような貨幣もあった。ひどく磨《す》りへっているので、
刻印のちっとも読めない、非常に大きくて重い貨幣もいくつかあった。アメリカの貨幣は....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
それらの力をその最高位からおしのけて、私の霊魂の劣等な要素の表われであって、その
刻印が押されているために、やはり私にとって生来のものであるところの、第二の形体と....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
、暗さがない。生涯ろくな目にあはなかつた筈だが、その魂にも外形にも生活苦の陰鬱な
刻印がないのは、頭のネヂのゆるんだところがあるせいで、その代り天真ランマン、近代....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
笑いものになったばかしじゃありませんか。この本の一冊ごとに、あなたが低脳だという
刻印が捺してあるのですよ。低脳の証拠を毎日眺めて平気でいられるのがフシギですよ。....
「“歌笑”文化」より 著者:坂口安吾
リで、粋とか通とかいわれることが、すでに大衆の中に生きていないことのハッキリした
刻印なのだ。大衆の中に生きている芸術は、常に時代的で、世俗的で、俗悪であり、粋や....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
照を求めて来る。それがまた、得も云われぬ嘲笑的な図形であって、まさにお筆にとれば
刻印に等しく、永世滅し切れぬと思われるほど嘲笑的なものだった。と云うのは、或る一....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
がすぐ、こんなことを、一同の耳に囁きはじめた。乗組員は二十名、艇は、一九〇六年の
刻印どおり旧型の沿岸艇だ。 巡航潜水艇ではない。それにもかかわらず、七つの海を....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
せると、バラバラと落ちて来た小判|幾片。甚内が蒔いたさっきの小判だ。 「黒田様の
刻印が打ち込んであるのが解らねえか」 「え?」 と甚内は今さら驚きムズと小判を....
「あのころ」より 著者:上村松園
かくとええ、などとはげまして下さった。 また甲斐虎山翁が幼い私のためにわざわざ
刻印を彫って下さったこともあります。その印は今でも大事に遺してあります。 ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
う一本の鏨で、――時を造る処ですから、翼を開いていましょう。――左の翼の端裏へ、
刻印を切ろうとなすったんです。絵ならば落※しながら、(な、なんぞ粗忽でも。)お師....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いかなる事件をも、有罪と立証することができるわけだった。十人の無辜に対して、罪の
刻印を押すことなどいとも容易だ。そして政府は、それを実行した。なぜなら、その他に....