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剃髪
「剃髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
剃髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
藻のかたきは、こうしてみなむごたらしく亡ぼされてしまった。忠通は法性寺にかくれて
剃髪した。泰親だけは無事に子孫繁昌した。 那須野の殺生石が玄翁《げんのう》和尚....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
三十年間、日本国中を探し回った。幸太郎が安政四年に、陸奥国牡鹿郡折の浜の小庵に、
剃髪して黙昭と名乗って隠れて忍んでいる休右衛門を見出したのは、安政四年十月六日の....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ように信玄の体も肥えていた。頸などは文字通り猪首である。大黒様のように垂れた耳。
剃髪しても頬髯だけは残し、大いに威厳を保っている。胸には濃い胸毛がある。全体の様....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
改めると、 「竹林派の来歴申し上げまする。そもそも、始祖は江州の産、叡山に登って
剃髪し、石堂寺竹林房|如成と云う。佐々木入道|承禎と宜く、久しく客となっておりま....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
はい。 学円 鐘ばかり……成程、ところで西瓜の一件じゃ。(帽子を脱ぐ、ほとんど
剃髪したるごとき一分刈の額を撫でて)や、西瓜と云えば、内に甜瓜でもありますまいか....
「連環記」より 著者:幸田露伴
ったか、それも分らぬ。ただ然し機縁契合して、師と仰がれ弟子と容れられ、定基は遂に
剃髪して得度を受け、寂照という青道心になったのである。時に永延二年、齢はと云えば....
「死者の書」より 著者:折口信夫
女は尼であった。髪を切って尼そぎにした女は、其も二三度は見かけたことはあったが、
剃髪した尼には会うたことのない姫であった。 はた はた ちょう ちょう 元の通り....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
頃はノミと蚊と南京虫とが三位一体になって攻め寄せるので、大いに弱っている。僕昨日
剃髪した。※これは旗などをかついで市中を駆けまわった前非を悔いたのだ。 *....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
は大人になったら何になろうかなど、少しも考えていなかったから、私の最初の希望が、
剃髪入門である。西行を愛していた私が、この時、更に深く彼に傾倒しはじめたのは云う....
「道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
安なる間。 若僧 (女人の美を具えたる少年、齢二十に余ることわずかなれば、新しき
剃髪の相傷ましく、いまだ古びざる僧衣を纏い、珠数を下げ、草鞋を穿ちたり。奥の方を....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ほかの若い騎士たちのように美しい羽毛をつけていられるのに……。髪もこんなぶざまな
剃髪などにしていないで、襟まで垂れている髪を波のようにちぢらせて、立派に伸びた頤....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
するにはごく暖かで都合がよいものですから、そのまま打棄ってあった。
その翌日|
剃髪します時分に髯も一緒に剃ってくれと言いましたところが、私の頭髪を剃った坊さん....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
妻帯せざること (十六)外出するに一定の法衣を着すること (十七)頭上の一部分を
剃髪すること (十八)祭日に生肉を食せず断食を行うこと (十九)僧徒はたいてい寺....
「ろくろ首」より 著者:小泉八雲
とは思わず、また以前の主人に心が残っていたので、彼は浮世を捨てる事にした。そして
剃髪して僧となり――囘龍と名のって――諸国行脚に出かけた。 しかし僧衣の下には....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
死な望みにとうとう我を折った。村の松蔭寺で単嶺という老僧を師匠に頼んで、岩次郎を
剃髪させた。これに較べて私は十五歳の娘時代は何にも思わなかった。ただ人々が痛みど....