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「剋する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

剋するの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
寄せている者も多かった。何にしろ与一の仕方が少し突飛だったから、それ下として上を剋する与一を撃てということになった。与一の弟の与二は大将として淀の城を攻めさせら....
鴎外・芥川・菊池の歴史小説」より 著者:宮本百合子
の中に、このようになまなまと恐ろしい人間性格の相剋が現実すること、そして、その相剋する力がその枠をとりのぞく作用としては在り得ないで、その枠内で揉み合って、枠内....
作家研究ノート」より 著者:宮本百合子
いうところにおかれざるを得ないようになって来る。非常に天分ある大作家でも、矛盾相剋するブルジョア階級の世界観の環内に止っているところにあっては、文学的練磨がつみ....
若き精神の成長を描く文学」より 著者:宮本百合子
ようにプチ・ショウズのように、主人公たち人間の内面的発展の欲望の自覚や、それと相剋するものとしての環境の本質の自覚が見られてはいない。従って、女の子を主人公とし....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
彼の人道主義的な傾向は、武者小路実篤の場合より、遙かに複雑であり、内面的に鋭く相剋するものから発端した。有島武郎が、二十八歳のとき、教育者になろうか、文学者にな....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
てゆく骨折りということの具体性を。 自分のうちに二つの流れを流しつつ、それが相剋する本質であるということについて感覚が麻痺《まひ》しているようなもののありよう....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しょう。誤解以前の「約束」どおりの動きを人間の動きとして動かしがたくうけとって相剋する人間性だけを彼はとらえたと思いますが。そこに日本文学の根づよい特色があるわ....
学生と生活」より 著者:倉田百三
年にあっては、学への愛も恋への熱もともに熾烈でなくてはならぬ。この二つの熱情の相剋するところに学窓の恋の愛すべき浪曼性があるのである。 かようにして私は真摯な....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
放っておくことができないのは、可憐な記代子に断ちがたいミレンのあるせいだ。 相剋する二つの心を、興ざめた目で見送る以外に手もない。 「なア。よく考えてくれよ。....
抱茗荷の説」より 著者:山本禾太郎
が、そこにはなんの不思議もなかった。背中に書いてある『抱茗荷の説』とは、結局|相剋する双生児の伝説に違いない。と、すぐ考えられたが、左の乳の上に描かれている梅の....
妖怪学」より 著者:井上円了
は、水より木を生じ、木より火を生ずるの類をいう。相剋とは、水は火を剋し、火は金を剋するの類をいう。左にその表を掲ぐべし。 水生木 木生火 火生土 土生金 ....
俳優への手紙」より 著者:三好十郎
ぬし、また概して外に存在し得ないものである。従ってこの二つは、劇団の内部に於て相剋するのが当然であり、相剋した方が、より良いのである。相剋して運動全体を駄目にし....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
になるのであろう。今ではまだクラとメといずれが前、もしくは二地に別存して、抵触相剋する機会がなかったか否かを、確める便宜を得ないというのみである。 最後になお....
挙国一致体制と国民生活」より 著者:戸坂潤
数カ月前までは、国防予算乃至軍事予算の膨大と国民生活の安定とは、事実上に於て相剋する関係にあるということが、国民の常識となっていた。而もこの間の相剋・背反・関....