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前人
「前人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
わずに人生の競技場を出られる筈《はず》はない。
成程世人は云うかも知れない。「
前人の跡を見るが好い。あそこに君たちの手本がある」と。しかし百の游泳者《ゆうえい....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
に言いだした。「僕らは、あの危険な開口をのぼり、大烈風をやぶった。それだけでも、
前人未達の大覇業《だいはぎょう》ということができる。帰ろう。今夜は蘚苔《こけ》の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
わなければならぬ。私達の生活の様式にもまた同様のことがいわれるであろう。或る人は
前人が残し置いた材料を利用して、愛の(即ち個性の)表現を試みようとする。又或る人....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
ヘ向ウ中間ノ地点ニ在リ。 予ハ今ヨリ七日前、スナワチ八月三十一日、休暇ヲ利用シ、
前人未踏ノ山岳地方ヲ横断セントシテ強力一人ヲ連レN県A町ヲ後ニ登山ヲ開始セリ。 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
るとすれば、当然、そこに抽象されるものがなけりゃならん訳でしょう」と法水が、突如
前人未踏とでも云いたいところの、超経験的な推理領域に踏み込んでしまったのには、さ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
れも、これまでのような自動車旅行ではなく、謎と臆測と暗黒のうちにうずもれている、
前人未踏の神秘境を指しているのだ。 では、どこか? そんな土地がまだこの地球上....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
紺と云う者は居無いかと問うのサ」谷間田は声を放ッて打笑い「夫だから仕方が無い、夜
前人殺と云う大罪を犯したもの、多分は何所かへ逃たゞろう、好や居るにしても居るとは....
「運命」より 著者:幸田露伴
末視し、孔孟の学を為し、伊周の事に任ぜんとす。然れども其の文章|亦おのずから佳、
前人評して曰く、醇※、沛乎として余有り、勃乎として禦ぐ莫しと。又曰く、醇深雄邁と....
「文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
若しお前が私の文を学んで、私の文に似て居る間は私以上に出ることは出来ない。誰でも
前人以外に新機軸を出さねばならぬと誨えられた。先生の文章に於けるや、苦心常に此如....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
けれど、父の生まれた所など通りすがりに眺める度に茫然とするのでした。その屋敷は戦
前人手に渡り水害のため全壊し、又空襲でわずかにのこった門番小屋や大門も焼けてしま....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
や、彼は即座に絹に向かった。筆を呵して描き上げたのは燃え立つばかりの鍾馗である。
前人未発の赤鍾馗。紅一色の鍾馗であった。 これが江戸中の評判となり彼は一朝にし....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
た時に偶然東京朝日の編輯局で書いた「ひとりごと」と題する桂首相の心理解剖の如きは
前人未着手の試みで、頗る読者に受けたもんだ。(この一編は全集第四巻に載っておる。....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
なければ、正午一行と別れ、予とフ氏とは、嘉門次父子を先鋒とし、陸地測量部員の他、
前人未知の奥穂高を指す。北の方|嶮崖を下る八、九丁で、南穂高と最高峰とを連ねてい....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
い部分に帰っているのですから、いつまた人間に変化するとも知れません。その時は、以
前人間であった時とそのままそっくり生れ変るのではないでしょうが、以
前人間であった....
「民族の感歎」より 著者:折口信夫
え方が変っているか訣らないからである。殆こう言う空虚を歌にすることの出来た人は、
前人には一人もいなかったと言うことが言いたいのである。斎藤さんが、最尊敬する万葉....