前借金[語句情報] »
前借金
「前借金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前借金の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鰊漁場」より 著者:島木健作
三月から、五六月まで、農閑期を利用して鰊場稼ぎをする百姓たちにとっては、その際の
前借金が、年末金融の唯一最大のものであった。前年の十一月、十二月中に彼らは給料の....
「縮図」より 著者:徳田秋声
う。君を当てにしないように、たまにはすっぽかすのもいいじゃないか。ここへ来る時、
前借金を全部資本にやったんだもの、君の義務は十分果たしているわけだ。」 そう言....
「衣服と婦人の生活」より 著者:宮本百合子
れた。そのために日本の農村の貧困は甚しく農家から貧乏のために一年幾ら、二年幾らと
前借金して工場に集められた小さな娘たちの生き血が搾られた。そして工場に二年ぐらい....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
近いある町の料理屋へ酌婦に住み込んでいたのです。わたくしはすぐに駈けつけて、その
前借金を償って、一旦実家へ連れて帰ったのですが、ふた月三月はおとなしくしているか....
「妖婦」より 著者:織田作之助
強い反抗もしなかった。 安子はやがて新太郎に連れられて横浜へ行き芸者になった。
前借金の大半は新太郎がまき上げた。この時安子は十八歳であった。....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
の地位も次第に進みますし色々な幸福が諸方から舞込《まいこん》で参ります。もしも以
前借金で責られた時私の思った通りに責任を遁《のが》れる工風したり実家《さと》の親....