前半[語句情報] » 前半

「前半〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前半の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
見えた。幌は垣の上にゆらめきながら、たちまち目の前を通り過ぎた。「一体十九世紀の前半の作家はバルザックにしろサンドにしろ、後半の作家よりは偉いですね」客は――自....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
過去における失敗をふたたびするはずはないのである。 文学――かの自然主義運動の前半、彼らの「真実」の発見と承認とが、「批評」として刺戟をもっていた時代が過ぎて....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
な》をすすった。 「そうだなあ。敢えて、こき下ろすとすれば、この記事は長すぎる。前半だけで沢山だ。それに……」 「それに?」 「ねえ、ハリ。君は“ゼムリヤ号発狂....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
によって、自分の領土を保持しているところの老獪極まる古狸でございます。二十世紀の前半期は英帝国の崩壊史だろうと私どもも言っておったのですが、今次欧州大戦では、驚....
地中魔」より 著者:海野十三
きさにした奇妙な姿の地底機関車だった。全体はピカピカと、銀色に輝いていた。車体の前半分は、鯨でも胴切りに出来そうな大きい鋭い刃が、ウネウネと波の形に植えつけられ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。うちへ来て下さるお客さま方に全くお気の毒なる道の悪さだ。 ◯一月は遂に過ぎた。前半は正月休みで、応接に忙しかったし、後半は原稿で殆んど隙のないほどの忙しさであ....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
潜水兜《せんすいかぶと》に似たかぶとをかぶる。しかし空気服についているかぶとは、前半分ほど透明だ。 空気服の中には地球の上と同じほどの濃《こ》さの空気がはいっ....
暗号の役割」より 著者:海野十三
途中からちんぷんかんぷんに変ってしまう」 それからもう一つ、感想を持った。 「前半は、いやにぴんぴん響くのに、後半になるとそれがなくなっている」 それ位にし....
恐竜島」より 著者:海野十三
》どもを怒らせてはたいへんだ。 口笛を吹くのをやめたかわりに、玉太郎は岩鼻から前半身をのりだして、崖の下をながめた。 下はすごい岩壁《いわかべ》であり、そし....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
へ。 お先立ちがその易者殿、御幣を、ト襟へさしたものでござります。筮竹の長袋を前半じゃ、小刀のように挟んで、馬乗提灯の古びたのに算木を顕しましたので、黒雲の蔽....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
めながら、口の裡に小唄謡うて、高砂で下りました、ははっ。」 と、踞むと、扇子を前半に帯にさして、両手を膝へ、土下座もしたそうに腰を折って、 「さて、その時の御....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
人間とクサカとを隔てる間が狭くなった。クサカも次第に別荘の人の顔を覚えて、昼食の前半時間位の時になると、木立の間から顔を出して、友情を持った目で座敷の方を見るよ....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、鉄の輪十六を嵌めたる棒を携え、彦四郎定宗の刀を帯びず、三池の伝太|光世が差添を前半に手挟まずといえども、男子だ、しかも江戸ッ児だ、一旦請合った女をむざむざ魔に....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
しているかもしれない。 阿Qは姓名も原籍も少々あいまいであった。のみならず彼の前半生の「行状」もまたあいまいであった。それというのも未荘の人達はただ阿Qをコキ....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
は悠然としてひとり朝飯をやっていた。久しぶりで彼は酔っぱらってさえいた。 彼の前半生は――といってももはや後半生も残り少なになっているのであるが――かかること....