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前後不覚
「前後不覚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前後不覚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
怯えているらしいことを案じて彼の邸まで送って来たのである。そのときはもうドレゴは
前後不覚で、彼の体重は完全に水戸の身体に移っていた。時刻は午前二時に近かったろう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
茶屋へ島田を扶け入れ、相当の酒手をやって駕籠を戻した。駕籠屋の話によると、島田は
前後不覚に酔っていたが、決して死んではいなかった。 死んでしまっては六郷の渡し....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あった。それらの話から考えると、かれは寒さ凌《しの》ぎに燗酒をしたたかに飲んでの
前後不覚に酔い倒れて、とうとう凍《こご》え死んでしまったのではあるまいかと半七は....
「振動魔」より 著者:海野十三
に乗じて、堕胎手術を加えようか、などと考えたけれど夫人はいつも神経過敏で、容易に
前後不覚に陥らなかったので、手術を加えても、その途中の疼痛は、それと忽ち気がつく....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
ートルの涼風を縦貫させた人工冷却で、乗客の居眠りを誘った。どの電車もどの電車も、
前後不覚に寝そべった乗客がゴロゴロしていて、まるで病院電車が馳っているような有様....
「蠅男」より 著者:海野十三
は何時の日であろうか。 意外なる邂逅 有馬温泉の駐在所における何時聞かの
前後不覚の睡眠に帆村もすこしく元気を回復したようであった。 彼はそれから先の行....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
込みまして、丞相府の東の方に宿を仮りていました。その晩は非常に酔って帰って来て、
前後不覚のていで門の外に倒れているのを、宿の主人が見つけて介抱して、ともかくも二....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
づけていたが、疲労から睡魔の手へ、彼等はなにがなんだか分らないうちに横にたおれて
前後不覚に睡ってしまった。 次の日の暁が来たのも、もちろん二人は知らなかった。....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
のと見えますな――但しどうやら、貴辺がその鮨を召ると、南蛮秘法の痺薬で、たちまち
前後不覚、といったような気がしてなりません。早く伺いたい。鮨はいかがで?」 そ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
燃えている下級霊にとりて、正に誂向きの好餌である。一部の人間共は、飲酒の為めに、
前後不覚の昂奮状態に陥って居る。他の一部は一攫万金を夢みて、熱病患者の如く狂いま....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
声は、低いが、しかし異様な張りを帯びていた。 「ここへ連れて来られるとき、貴方は
前後不覚だったじゃないの。間違えて……、ほんとうに、姐さんの可哀想なことったらね....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
思って追かけて出かける処を、秋山男爵に乳の辺りに当身を喰わせられて、それから後は
前後不覚、只今貴方様のお声で始めて正気になりましたような次第でござりまする。」 ....
「鬼」より 著者:織田作之助
だろう」 「ところが、前の晩徹夜したので、それどころじゃない。寝床にはいるなり、
前後不覚に寝てしまったんだ」 十日ほどたって、また行くと、しょげていた。 「何....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
連れ込んで寝かして仕舞った。 六 女は小田島の寝台へ投げ込まれ、
前後不覚に眠込んで仕舞ったが、彼は女の傍で到底眠る気になれない。彼は長椅子を壁際....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
めた。一夜まんじりともしないで踊りつづけ暁方近くには疲れきって舞台に俯伏したまま
前後不覚に寝入ってしまった。 「百合ちゃん、風をひくよ。今日は大事な舞台稽古だと....