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「前後左右〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

前後左右の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
に呼びかけている。 41 彼の手に持った一本の帯。帯は前後左右に振られながら、片はしを二三尺現している。帯の模様は廓大《かくだい》した....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
る。 それからのちの事は、次郎にも、まるで夢のようにしか思われない。彼はただ、前後左右から落ちて来る太刀《たち》の中に、獣のようなうなり声を出して、相手を選ま....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
目もやはり同じ事さ。また女がにっこりする。と思うと見えなくなる。跡《あと》はただ前後左右に、木馬が跳《は》ねたり、馬車が躍ったり、然《しか》らずんば喇叭《らっぱ....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
新に燃え上った芥火《あくたび》の光を浴びて、星月夜《ほしづくよ》も見えないほど、前後左右から頸《うなじ》をのばした気味悪さは、到底この世のものとは思われません。....
路上」より 著者:芥川竜之介
チ》の閃きに応ずべき相手を物色するのに忙しかった。彼はインバネスの肩を聳かせて、前後左右に雪崩《なだ》れ出した見送り人の中へ視線を飛ばした。勿論彼の頭の中には、....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
台をともした。その昼のような光の中に、彼は泥のように酔《よ》い痴《し》れながら、前後左右に周旋する女たちの自由になっていた。十六人の女たちは、時々彼を奪い合って....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
て居ります。私の頭の上には多くの電燈が、昼のような光を放って居ります。云わば私の前後左右には、神秘と両立し難い一切の条件が、備っていたとでも申しましょうか。そう....
誘惑」より 著者:芥川竜之介
く。それから又三つ、二つ、五つ。 64 前の洞穴の内部の空中。空中は前後左右に飛びかう無数の火取虫に充《み》ち満《み》ちている。 65 ....
或る女」より 著者:有島武郎
る声ともつかない一種の奇怪な響きが、舷《ふなべり》をめぐって叫ばれていた。葉子は前後左右に大きく傾く甲板の上を、傾くままに身を斜めにしてからく重心を取りながら、....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
深に配置された兵力は互に巧妙に助け合うことによって、攻者は単に正面からだけでなく前後左右から不規則に不意の射撃を受ける結果、攻撃を著しく困難にします。 こうな....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
を見た。」―― と肩がすくんで、裳わなわな、瞳を据えて恐々仰ぐ、天井の高い事。前後左右は、どのくらいあるか分らず、凄くて※すことさえならぬ、蚊帳に寂しき寝乱れ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
難所だと思ったこともございました。又道中どこへ参りましても例の甲高い霊鳥の鳴声が前後左右の樹間から雨の降るように聴えました。お爺さんはこの鳥の声がよほどお好きと....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
―唯今の鯖江、鯖波、今庄の駅が、例の音に聞えた、中の河内、木の芽峠、湯の尾峠を、前後左右に、高く深く貫くのでありまして、汽車は雲の上を馳ります。 間の宿で、世....
」より 著者:犬田卯
元利合計……まるで破産の宣告でも受けるもののようだった。 何か眼に見えない敵が前後左右からのしかかって来る。たしかに……畜生、それは何ものなのだろうか。当時、....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
置いたのは言うまでもない。 駆出した中の婦が、広場の松を低く、ハタと留まって、前後左右を、男女のばらばらと散る間に、この峰の方を振返った。肩を絞って、胸を外ら....