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前晩
「前晩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前晩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
。 「どうして、大ちがいだ」と私は云いました。そしてその訳を話しました。 その
前晩私はやはり憂鬱に苦しめられていました。びしょびしょと雨が降っていました。そし....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
ど信じられぬような死に方をするものもある。やがて愛らしい花嫁となる処女が、祝言の
前晩に頓死するのもある、母親の長い嘆きとなるのも知らずに。麻痺した心の臓のところ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
日を二十五日に繰上げて、故意に弁解の材料にした訳ではありません。私は二十六日には
前晩貞の件が済んだので、安心して浅草へ行ったりして終日遊んで帰宅したように申しま....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ません」 そんならばと申すので、是から段々旅支度をして、いよ/\翌日立つという
前晩に、忠平が親父の許へ手紙を遣りました。親父の岩吉は碌に読めませんから、他人に....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
い。註をすれば里よりは山の義で、字に顕せば故郷になる……実家になる。 八九年|
前晩春の頃、同じこの境内で、小児が集って凧を揚げて遊んでいた――杢若は顱の大きい....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
こういう食糧が皆もとは味方の貯臓物であったのを私は見て取った。それでシルヴァーが
前晩言った言葉のほんとうであることがわかった。もし彼が医師と契約を取極めなかった....
「発掘した美女」より 著者:坂口安吾
い、便所へ行く。この便所が大変だ。先祖代々掃除をしたことがないらしい。初音サンは
前晩から泣きほろめいていたのである。 「ボクたちが来るまでは、もっと汚なかったん....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
す。 着々準備はととのいました。下検分も慎重に綿密に終りました。いよいよ決行の
前晩に至って、セラダは明日にせまった冒険を日野に全部うちあけてきかせたのです。 ....
「黄金の腕環」より 著者:押川春浪
、いずれも絶世の美人と評判が高い。 頃は十二月三十一日の夜、明日はお正月と云う
前晩だが、何不自由なき貴族の事とて、年の暮にテンテコ舞する様な事は無い、一家は数....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
うのは朝だけです。近在から集まる農家の人々は、前日から心がけて、洗い上げた野菜を
前晩に荷造して車に積上げて、被いをして置き、夜の明方に荷を引出します。ですから寒....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ない。(私には限らない、当時の貸本屋フワンは誰でもだったが)信乃が滸我へ発足する
前晩|浜路が忍んで来る一節や、荒芽山の音音の隠れ家に道節と荘介が邂逅する一条や、....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
居りました。死後凡そ十六時間を経て居ました。その時丁度午前九時でしたから、兇行は
前晩の七時頃行われたことになり、女中の言葉とよく一致して居りました。私は一応見診....
「按摩」より 著者:小酒井不木
したら、痛みはけろりとなおりました。 すると又、その翌日の同じ時刻に、右の眼が
前晩よりも一層はげしく、ずきんずきんといたみ出しました。そこで又モルヒネの注射を....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
釣台でしたから、) それさえその時まで私は気がつかないで居たくらいで。もっとも
前晩、夜更けてからちと廊下に入組んだ跫音がしましたっけ。こうやって時候が可いから....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
。多くの人が嘲り笑う中にも真実に私を止めた人もあります。もはや明日出立するという
前晩即ち六月二十四日大阪の牧周左衛門氏の宅に居りますと大分止めに来た人がありまし....