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前景気
「前景気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
前景気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
《すてばち》な気分になって、馬の売買にでも多少の儲《もうけ》を見ようとしたから、
前景気は思いの外《ほか》強かった。当日には近村からさえ見物が来たほど賑《にぎ》わ....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
あったが、五月の陽気な川開きとは違って、秋の花火はおのずと暗い心持ちが含まれて、
前景気がいつも引き立たなかった。江戸名物の一つに数えられる大川筋の賑わいも、こと....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
波おだやかな葵《あおい》の御代を無事泰平に送ればいいという世の中でしたから、その
前景気のすばらしいことすばらしいこと、お祭り好きの江戸っ子たちはいずれも質を八に....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
るのは今度が初めである上に、震災以後東京で興行するのもこれが初めであるから、その
前景気は甚だ盛んで、麻布十番の繁昌にまた一層の光彩を添えた観がある。どの人も浮か....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
で当選した。反対諸党は合同して一人の候補者を出す筈であったのだが、この謀叛人側の
前景気がばかにいいのに恐れをなしてまったくひっこんでしまったので、本当の一人天下....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
、四月上旬東京美術倶楽部で書画骨董の売立入札を催すはずで、出品数は三百点、大変の
前景気だそうだ。呼物の主なものとして、虚堂墨蹟、馬麟寒山拾得、牧渓江天暮雪、大名....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かかるタワケもあるまいと思われるが、あの辻ビラのおどかしと言い、今日のこの小屋の
前景気と言い、万一こんなヨタ者にも相当に名を成させて帰すかも知れねえ―― 米友....
「魔都」より 著者:久生十蘭
式の万燈ほどに提燈を持ったので、いよいよ日本座で蓋を開けるときまると物凄いような
前景気、とりわけ有閑、富豪の両階級の肩の入れ方は大したもので、十円也の特等券はす....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
力こぶを入れている。芸人|冥利《みょうり》に尽きる話だという、評判も評判、大変な
前景気であったが、本人も、一生懸命で、相変わらず藤代町の宿屋木更津屋の二階で、今....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
新太夫座元で堺町の外記座《げきざ》にかかり、ちょうど今日が初日で、沸き返るような
前景気。まず、ざっとこんなあんばい。 才気縦横、多技多能……、四|通《つう》八....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
の仮装服《ドミノ》の相談、ヴェニス王女の御艶聞、イヴァン・モジュウヒンの御挨拶の
前景気、と、いつ果てるともみえない鴉舌綺語《げきぜつきご》。さるにても、季節中の....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
コリダ》が催されるので、マルセーユはもちろん、プロヴァンス一帯は湧きかえるような
前景気。 とりわけ、今年の催し物は、例年の闘牛のほかに、近県六市から荒牛《トオ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
りの吉原へ。引手茶屋で飲んだのが、明日は名におう堺町|葺屋町の顔見世、夜の中から
前景気の賑いを茶屋で見ようと、雅名を青楼へ馳せず芝居に流した、どのみち、傘雨さん....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
堀越はやり損じなければ好いが。」と言っていた。実際、新富座の「め組の喧嘩」の方が
前景気は遥かに好かった。歌舞伎座はどうしても川向うの新富座に圧倒されそうに見えた....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
るのは今度が始めである上に、震災以後東京で興行するのもこれが始めであるから、その
前景気は甚だ盛で、麻布十番の繁昌にまた一層の光彩を添えた観がある。どの人も浮かれ....